水谷もりひとブログ

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【朝礼】未来から今を振り返る

庭の草取りにしても、皿洗いにしても、人は、他人からそれを強制されたり、脅されて行動することを本能的に嫌います。
人は、自ら進んでやることを喜びとしています。

子どもに散々将来のことを脅して、「だから勉強しなさい」と言ってもしません。
頭で「勉強しなくちゃ」と分かっていても、心が動かないのです。

人間は、精神レベルが低いと、脅したり、脅迫したり、暴力を使ったりして、働かせますが、高くなればなるほどそういうものでは動かなくなります。そういうことを嫌うのです。そして、どんなことでも、心がやりたいと思ったら、自ら進んで動くようになるのです。

何が違うのか。それは「その気」になっているか、なっていないかの違いです。

うちの息子がまだ「その気」になっていないとき、高いお金を払って家庭教師をつけましたが、まったく身になりませんでした。
勉強しても、やりたいことがなかったからです。

精神レベルが高まらないと、自ら進んで行動することはなかなか難しいです。

精神レベルがそんなに高くなくても、心が動いて、その気になって動き出す人もいます。
たとえば、テレビや新聞のチラシで、「3割お得」とか「これが今大流行です」とか「有名タレントも使っている」とPRすると、それが欲しくなります。今買わないと損をすると錯覚したりします。
買って満足はしますが、時間が経つと、また普通に戻ります。
なので、企業は毎日これをやらないといけません。年中「閉店セール」とか「ポイント2倍セール」とか、これをやり続けないといけません。
こういうのは人生を変えるほどのものではないので、別に企業の思惑通りに動いてもそれほど問題はないでしょう。

だけど人生を左右するようなことだったら、「親から言われて安定だからという理由で公務員になる」とか「お得だから多額の借金をして株を買う」とか、「かっこいい人だから結婚しよう」とか、そういう精神レベルの低いところで判断していたら、大きな挫折を味わうことにもなりかねません。

要は、如何に精神レベルを高めるか、です。
精神レベルが高まると、人は「その気」になります。

その気になれば、たとえば、「勉強なんかほどほどにして、たまには遊びなさい」と言われても、勉強する子になります。
その気になったからです。

どうやったら、人はその気になるのか。
これが分かっていたら、子どもの教育は苦労しません。
他人は変えられませんが、自分は変えられます。
まずは自分をその気にさせましょう。

人間の脳には、あるおもしろい特徴があります。
イメージしただけで、それがあたかも実現したかのように反応するという特徴です。
レモンをかじったとイメージすると、口の中の唾液が増えますよね。
ビルの50階屋上から下を覗いているところをイメージすると、お尻がもぞもぞしますよね。
友だちと二人で綾の吊り橋をわたって、ちょうど真ん中にきたときに、冗談でぽんと友だちの背中を押したら、友達がバランスを崩して吊り橋から落ちてしまったというシーンをイメージするとぞっとしますよね。

脳はイメージしただけで、あたかもそれが現実になったように反応するんです。
つまりイメージと現実の区別ができないときが時々あるんです。

これをプラスに利用することで、精神レベルを上げ、自分をその気にさせることができます。

イメージの力です。

一般的に「反省する」という行為は、何かうまくいかないことがあって、それを現在から過去を振り返ることで、「あのとき、ああすればよかった」とか「あのとき、あんなことをするべきではなかった」とか「もっとああしとけばよかった」「もっと勉強しとけばよかった」と、過去の失敗したところを反省して、それを未来に生かそうというものです。

その視点をちょっと変えましょう。
たとえば、未来の幸せな生活を送っている自分をイメージします。
そして、その未来から「今」を振り返るのです。

もうあなたは成功しました。夢が叶いました。
年齢は45歳です。
ステキなマンションの18階に、理想のパートナーと暮らしています。

そのとき、ふと2014年を振り返ります。
あのとき、あんなことで悩んでいた。
貧乏な生活をしていた。
イヤなこともあった。
でも、今からしてみると、あのときのあの貧乏生活も、あの人との別れたことも、あのときのあの失敗も、あの悩みも、全部今の自分に必要だったんだ、ということが分かります。

「こんなことして何になるんだろう」と思えることがなくなります。

今という現実に対して、すべてを肯定的に受け止めることができるようになるし、
ものすごいピンチが訪れても、「ピンチ、いらっしゃいませ。あなたは将来の私の為にきてくれたんですね。このピンチはきっとチャンスになるピンチだわ」と思えるようになります。

大事なことは、本当に、心から、一点の不安や疑いもなく、そう思えるようになることです。
だから素直な心の持ち主が一番成長するんです。

では、素直な心を育てるにはどうしたらいいか。
さらに深い話に入ってきます。
これはまた別の日に。