水谷もりひとブログ

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【朝礼】基本力~あなたは見られている

宮崎の県北にある延岡市立東海中学校の鈴木教頭先生からこんな話を聞きました。
いろんな業者の人が学校に来るそうです。文具や教材の営業に来るわけです。

鈴木教頭は何を見ているのかと言うと、何を営業にしてきたのかではなく、
どういう態度で来るのかと見ているそうなんです。

職員室に入る時にお辞儀をする人、しない人
職員室を出る時にお辞儀をする人、しない人
入る時も出る時もお辞儀をする人、どっちもしない人
45度最敬礼で丁寧にお辞儀をする人、軽く会釈程度にお辞儀する人

鈴木教頭は言います。「彼らは自分がそこを見られていることに気が付いていない」

昔『子連れ狼』というテレビドラマがありました。
大五郎という5歳くらいの男の子を連れて、お父さんの拝一刀があちこち旅をしているんです。職業は殺し屋です。
大五郎を乳母車に入れて、殺し屋をしているので世間の噂で「子連れ狼」と呼ばれるようになったのです。

元々は武士で、徳川幕府に仕えていたのですが、柳生一族と対立して、それが原因で陰謀にはめられて、拝一族は皆殺しに遭い、幕府からも反逆罪を言い渡され、大五郎も切腹を言い渡されるのです。

それで拝一刀は大五郎と連れて逃げます。そして柳生一族に対する復讐の旅に出るわけです。

時々、拝一刀は大五郎と離れ離れになりました。
ある日、大五郎が迷子になって、ある農家に助けられ、しばらくその家でお世話になるんです。最初の夜、「お前、どこから来た?」とか「おっとうやおっかぁはどうした?」と聞かれるのですが、大五郎は無言でご飯を食べるんですね。

その時、農家の親父は言うんです。「この子は武士の子だ」って。
「それは姿勢を見れば分かる」っていうんです。

何も言わなくても、姿勢を見れば、その人が高貴な人かどうか分かるわけです。
これを基本力といいます。

人間としての基本ができている。
その一つが姿勢ですね。
自分は意識していなくても、身に付いてしまっているというものです。

しかし、身に付くまでには100回くらい意識しなければなりませんが
100回を超えると、それが自然になります。
靴をそろえるとか、あいさつをするということもそうですね。
最初は親から言われて、意識してやりますが、
やがてそれが自然になります。
靴がそろっていないと気持ちが悪いとか
すれ違いざまにあいさつをしないと気持ちが悪くなります。
朝顔を洗うとか、食後に歯を磨くということも同じ基本力です。

先ほどの、中学校に来る営業の人の話に戻ります。

営業に出る人はロールプレイをします。セールストークを徹底的に練習します。
商品知識を徹底的に勉強します。
しかし、お客さんの心に残るのはそういうことではなく
その人の人間性です。
自然な笑顔の美しさであったり、丁寧なお辞儀であったり、
ちょっとした仕草であったり、心配りであったり。

また話が逸れますが、
ミス・インターナショナルジャパンとか、ミス・ユニバースといったミスコンテストに出場する女性たちは、外見の美しさ、笑顔のきれいさでは全く差がありません。

審査員の印象に残るのは、後ろの席に座っている時の仕草や姿勢や笑顔だったりするそうです。
これが「基本力」です。

基本ができている人は、誰も見ていないところでもいい姿勢、いい笑顔、いい仕草をするんです。

誰も見ていないという状況の中でも、見られているかのようにふるまえる。これが基本力です。

僕もまだまだこれができていません。
できていないことを本当に自覚したときから、
意識をするようになり、意識してやることを100回くらいすると
やがて無意識にやれるようになります。

基本力を身につけたいものです。