水谷もりひとブログ

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【朝礼】対話をする

森信三先生の『修身教授録』から
 ~これは現代のよみがえる人間学の要諦

人間生活というものは、「話すこと」と「行うこと」
突き詰めると、この二つです。

勉強やスポーツや遊びは、誰か教えてくれる人がいますが、
「話すこと」に関しては、自ら進んで「話し方教室」とか、
そういうところに行かない限り、学ぶことがありません。
みんな、なんとなく習得しているのが「話すこと」です。

人間生活とは、この二つしかないのだらか、その一つである「話すこと」を
学ぶことは重大な意味を持つと、森信三先生は言っています。

というわけで、人間を話すことを「対話」といいますので、
その「対話の心得」を10個、紹介します。

①相手の話を聞く、これが第一の根本である。
なるべく聞き役に回るようにする。
そのためには「聞く」こと。すなわち「質問すること」です。

②4人以上の場合は、誰か1人が話し始めたら、他の人はその人の話に耳を傾ける。
別の席でコソコソを別の話をしない。
そのことで集まった人の教養レベルが分かります。

③1人の人ばかりしゃべらない。最低一度は全員がしゃべるようにする。
これは司会の心遣い。
もし司会がいない場合は、年配者の方が、「○○さん、どうですか?」と指名する。

④自分が話していた事柄と全然違う方向に話題が流れていったらどうするか。
諦める。

⑤自分が、今続いている話題と全然違うことを話そうと思ったときは、突然違う話を始めると、「この人は頭がおかしい」とか「ピンとはずれの人」と思われます。
だからこういうときは「ちょっと話が全然違うんですけど」とか、「ちょっと別の話なんですが」と断ってから話し始めなければならない。
それも、今まで続いていた話題がもうそろそろ潮時かなと見計らって上で、「ちょっと話が違うんですけど」と言って話し始める。

⑥断定的な言い方はしない。
「人間、大事なことは~~です」
「~すべきです」と言い方は上から目線なので、素直に受け入れがたい話になる。
「私は~~と思います」
「~~と聞いています」「~~らしいです」

⑦みんなが知らないだろうなと思うようなことを言うときは
「ご承知のように」とか「ご存じだと思いますが」と前置きして話すといい。
でないと、自分の知識をひけらかしているように感じられる。
「ご承知のように、今回の選挙の争点は~」
「皆さん、新聞などでご存じかと思いますが、今中東ではイスラム過激派の~」

⑧対話の中で相手に聞いてはいけないこと
・収入
・家の家賃
・いきなり職業
・女性の年齢

それから言ってはいけないこと
・相手の体に関すること

⑨自分が言ってはいけないこと
・自分の自慢話になるようなこと
・身内の名誉、財産、地位
・子供時代の成績

⑩相手のどこを見て話すか。
 目の辺りから襟の辺りまで

~おまけ~
人までは財布を開けない。
人がいるところで開けるときは、横や後ろを向いて、人の目線を避ける
もし誰かが目の前で財布を出したら、見ないように顔をそむける

これは先日参加した愛知県一宮市で開催された「一宮ますみ読書会」で学んだことです。
参考図書『修身教授録』(森信三著)~第29講「対話について」