水谷もりひとブログ

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【今朝の朝礼】愛とは与えるもの。受けるより与える人が幸せになる

「テラ・ルネッサンス」というNPOをやっている鬼丸さんという人がいます。
アフリカの少年兵をなくすために、アフリカの子供や女性が経済的自立するための支援活動をしている人です。
彼は学生のときにアフリカに行く機会があり、少年兵のことを知り、自分でその活動を始めました。
うちのプリンターの使用済みインクはその支援のために送っています。

彼は、その活動をボランティアではなく、職業としてやっています。
結婚していますから自分たちも生活費も稼がないといけません。
以前は生活費すら厳しいときもあったそうです。

それでも彼は講演活動をするなどして、自分でお金を稼いで、その活動に注いでいます。
つまり、自分で稼いだお金で仕事をしているのです。
普通は逆ですよね。
仕事をしてお給料をもらうという発想ですよね。
彼は自分のお金を払ってでも、その仕事がしたいのです。
その話を、吉井さんという人から聞きました。
鬼丸さんはそんなことは自分では言いません。
それくらいその仕事が好きなんです。

この話を思い出したのは、先日、みやざき中央新聞のミニミニ読者でちょっと残念な人がいたからです。
地元宮崎市では10人から12人の少人数で毎月ミニミニ読者会をやっています。
場所はみやざき中央新聞のオフィスです。

初めての人もいるので、名刺交換をします。
読者同士がつながって、仲良くなってもらおうという意図もあります。

こういうときに難しいのは、自分の仕事のPRをどこまでしていいのか、ということです。
たとえば、営業目的で参加し、誰かお客さんになってくれそうな人をつかもうと思って参加すると、その人は敬遠されます。嫌われます。
主催者としても、そういう人がいると困ります。

でも、全く自分の仕事のことを言わないのも、どうかと思います。

「私、保険の営業をやっています。何かお困りのことがあったらメールください」とさらっと言うことは大事なことです。

この「さらり感」が大事なんです。

たとえば、自己紹介の席で「車のディーラで働いています。お車を買い替えようと思っている人はよろしくお願いします」と一言、言う。
その席に、今度車を買い替えようと思っている人がいたら、後で声を掛けてくると思います。
みやちゅうの読者会なので、みんな心を開いています。
「ここにいる人はみんないい人。騙そうと思っている人はいない」という前提があるので、「どうせ車を買うなら知らない人から買うより、これもご縁だからここで出会ったはあの人から買おう」と思うわけですね。


それで、先日の読者会で残念な人がいました。
車のディーラーで総務の仕事をしているのですが、
名刺をもっていないのです。
なぜ持っていないのかと聞いたら、「会社が作ってくれない」と言ってました。

「自分で作ればいいじゃん。名刺交換をして、一言、車を買うときはお声を掛けてくださいとか、よろしくお願いしますと言うんですよ」と言ったら、「私、愛社精神がないんです」と言うんです。

「ええええー」と思いました。
僕はその彼女と、もう6,7年は付き合っています。
仲のいい友達です。
なのに、幸せになれる人生の基本を何一つ教えていなかった。
というか、彼女も学んでいなかった。
僕とお付き合いすることで、あるいはみやちゅうを読むことで成長していなかった。

彼女はまじめな人なので、職場に行けば、きっと一生懸命仕事をしていると思います。
しかし、その会社からお給料をもらうためだけに仕事をしている人は絶対に幸せになれません。
その会社からお給料をもらっているとするなら、少しでも会社の商品を売ろうという意識は、必要です。
「私は営業じゃないから」とか、そういう問題ではありません。

仕事は、きちんとお給料という形で還元されます。
仕事をしているからお給料をもらえる。これは労働の対価です。
労働の対価であるお給料は、愛社精神がなくても、もらえます。
与えられた仕事を勤務時間内にやるだけでいいのです。
そういう人を「労働者」といいます。

幸せな人生を送ろうと思ったら、愛が必要なのです。
愛社精神の「愛」も、幸せな人生をもたらしてくれる愛の一つです。

愛とは「与えるもの」です。
愛とは労働の対価として受け取るものではありません。
自分の中にある熱い思いを誰かに与える、それが愛です。

恋人と3時間デートして、その時間を1時間600円で計算して、そのデート中に1800円相当のものを買ってもらわないと元が取れないとか思わないですよね。

愛社精神は勤務時間外で発揮されます。
名刺交換するときに、「もし車を買い替えるときはよろしく」と一言言うだけでいいのです。
初めて会った人に、「よかったら読んでください」と言って、見本紙を渡すだけでいいのです。

もし、相手が興味を示してきたら「1か月間、見本紙を送ります。住所を教えてください」と言えばいいのです。
興味を示していないのにそれを言うと、営業目的と思われて嫌われます。
その加減が大事です。
「いい加減」が大事です。

熱すぎると「しつこい」「営業目的」と思われます。
冷たすぎると、ご縁ができたのに何にも紹介しないということです。
だから「いい加減」は、さらり感です。
「よかったら読んでください」と言って1部渡すだけでいいのです。

そのためにはいつも見本紙を3部くらい持っておく必要があります。
でも、新聞は四つ折りにしても女性のバッグに入りにくいかもしれません。
じゃぁ四つ折にして入るバッグを買えばいいのです。

ここで思い出すのが「会社が名刺を作ってくれないんです」という言葉です。
幸せになれる人は、自分のお金でユニークな名刺をつくるんです。

なんで自腹を切って会社のためにしなければならないのか。
会社ってお金をくれるところであって、自分のお金を払うところじゃないと思っている以上は、その人の人生は豊かになれないんです。幸せになれないんです。

愛の法則でいうと、
恋人ができました。あるいは結婚しました。
その相手から「幸せにしてもらいたい」と思い続けている人は、絶対幸せになれませんよね。
好きになったら、その人のために何かしてあげたい。
その人を喜ばせたいと思いますよね。
それが幸せになる藍の法則なんです。

会社との関係も同じ原理原則なんです。
勤務時間外で見本紙を紹介する行為は、自分の幸せと直結します。

彼女の話に戻ります。
もし名刺交換して、「車を買い替えるときはよろしく」と一言言って、
その半年後にその人から「車を買い替えます」と連絡が来たら嬉しくないですか。
商品を買うということは、売る人も嬉しいけど、買う人も嬉しいですよね。
「いい車が買えてよかった」
「いい新聞に出会えてよかった」

お客さんがそうやって増えることで、会社の利益が上がり、自分の給料も上がる。そのことが幸せなのでないんです。
自分とのご縁がきっかけで、その人は豊かで幸せな人生を送ることができる。
その人から「あなたと出会ったことで人生が変わりました」と言ってもらえることが幸せなことなんです。

名刺交換をして「車を買い替えるときはよろしく」と一言言っても相手は全然嫌な気持ちになりません。
初めてあった人に、あるいは友達に「よかったら読んで」という一言言っても、相手は売りつけられているという気持ちにはなりません。

むしろ、購読をはじめたことが豊かで幸せな人生になるきっかけになるとしたら、そのきっかけをつくった人は幸せな気持ちになります。

そういう人は10人出会った中で1人かもしれません。
そのとき、「この人、感じいい人だなぁ」という印象を与えられたら10人中2,3人に増えるでしょう。
もっとさらにいいお付き合いが始まったらその確率はもっと高くなります。

飛び込み営業の場合、100軒飛び込んで新聞に興味を持ってくれるのは3人です。300軒飛び込んで、新聞を購読してくれるのは1人です。

ご縁がある人に新聞を渡した場合、その確率はもう少し高くなると思います。
でも、新聞に興味を持つか持たないか、新聞を購読してくれるかくれないかを決めるのは相手です。
結果は相手にお任せすればいいのです。こっちはただ、「よかったら読んでください」とさりげなく渡せばいいのです。

いい商品、いいサービスは、買った人が「よかった。ありがとう。これに出会えてよかった」と思えるものです。
いい商品、いいサービスを買った人は「買わされた」と思っていないんです。

そうは言っても、そう言う僕も、新聞をいつも持ち歩いていないので、反省しました。
さりげなく「よかったら読んでください」とこれから言いたいと思います。

愛は人を幸せにします。
どんな人を幸せにするのかというと、受ける人より与えた人です。

誰に与えるのか。
目の前の人です。
目の前の人、同じ会社で働いている人
足元の家族、会社、地域、そして国家。
このおかげで私は今生きていると思えるものです。
それが幸せになる秘訣です。