水谷もりひとブログ

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【今朝の朝礼】元カノと再会しました。

数年前のことです。
実は、元カノと再会しました。
中学2年の時に出会って、好きになり、
高校1年まで付き合っていました。

実は、付き合っていたのに
デートをしたのは二回だけです。
一回はオリビア・ハッセー主演の『ロミオとジュリエット』を観に行っただけ。
二回目は僕の部屋に遊びに来たのですが、おしゃべりしただけでした。

今振り返ると、あまりにも子供過ぎました。
指一本触れることなく、淡い恋はフェイドアウトしました。
当時の僕は、触れたいという欲望もなく、ただ一緒にいるだけで幸せだったのです。

今振り返ると、彼女が僕に与えたものは、知的刺激でした。
彼女はめっちゃ頭が良く、本大好き人間でした。
いつも文庫本を持っていて、よく本を読んでいました。

彼女はよく僕に本を貸してくれた。
僕が覚えているのは、星新一の本でした。
きっと僕のレベルに合わせてくれて、
「これだったら読めるだろう」と思っていたのでしょう。
彼女が貸してくれる星新一の本は本当に面白かったです。

彼女と再会できたのは、メールのおかげです。
高校の同窓会のメーリングリストが回ってきて、
そこにメーリングリスト参加者のメルアドがあったのです。
それでメールを送って、彼女のいる東京で再会することになりました。

20数年ぶりです。
待ち合わせ場所に来ていた彼女は本を読んでいました。
だから、僕が声を掛けるまでずっと読書にふけっていました。
そして、お食事して、近況を報告し合って別れました。

そのとき、不思議な感覚になったのを覚えています。
昔のまんまだったような気がしたのです。
確かに有名国立大学の英文科を卒業して、
大手ITメーカーで働いています。
海外旅行が趣味なのだそうです。

20代、30代、ずっと社会の底辺にいた僕とは大違いでした。
再会したときは、僕もまだ今の仕事が軌道に乗っていなかったので、
自慢できるものは何もありませんでした。

20数年ぶりに会った彼女とおしゃべりして感じたのは
話題のつまらなさでした。
あれだけ外国を旅行し、あれだけ本を読んでいるのだから
もっと知的刺激のある話題になってよさそうなのに。

なぜだろう。

最近出会ったある講演で、ヒントになるような話を聞きました。

「外国をたくさん旅しても全然変わらない人生がある。
 自宅から駅まで歩いている途中で出会った、たった一人の人との出会いで変わる人生もある」

「外国をたくさん旅しても、頭の中はショッピングとグルメだけの人もいる。
 自宅から駅まで歩いている途中に世界のことを考えている人もいる」

日本人ってたくさんの人が海外旅行に行ってますけど、
その経験が人生を揺るがしているかというと、そうではない人って多いのではないでしょうかね。
(海外旅行にあまり縁がない僕のひがみかもしれません)

たくさんの本を読んでいる読書好きの人が人として成長しているかというと、
そういうわけでもないみたいです。

最近読んだ神田昌典著『ばかになるほど、本を読め!』という本の中に面白いことが書かれてありました。
それは「目的志向型の読書をしろ」

何のために本を読むのかという目的意識がないと、たくさん本を読んでも役に立たないというのです。

目的意識を持っていると、どういう情報が必要なのかを脳が察知して、その本の中からその人に必要な言葉を見つけてくれて、成長の糧にしてくれるというのです。

海外旅行も同じだと思います。
ただ羽を伸ばそうという意識だけで旅行すれば、その目的を達成して帰ってくるでしょう。
ただショッピングとグルメを楽しもうという意識で旅行すると、その目的を達成して帰国します。
「自分探し」という目的を持って旅行に出ると、その答えを見つけて帰ってきます。

卓ちゃんという僕の友人は、人生に疲れて「自分探し」の旅で外国に行って、その答えを見つけました。
それは「ここに答えはない。俺は何をしているんだ。早く日本に帰ろう」と。
それが答えでした。

僕の読書量はたいしたことありません。
1か月に5、6冊買いますが、読むのは2、3冊です。
でもその2、3冊が確実に自分の魂の栄養になっているんです。
なぜなら、そういう本に出会いたいと思って探しているし、そういう目的で読んでいるからです。

200ページある本の中で、1行でもいい言葉に出会えたら、1200円の代金の元をとった気分になります。

もちろん、娯楽という目的で小説を読んでもいいんです。
それはそれで豊かな人生です。
レジャーという目的で海外旅行に行っても、それはそれで豊かな人生です。


でも、僕はそれだけじゃもったいない。
たとえば、作家さんはプレイベートで旅行をしても、そこでネタを見つけて、そのことを本に書いて収入を得ています。
目的志向型の人生なのです。

10冊の読んだ本を、それぞればらばらに置いているのと、10冊上に積み重ねているの違いです。
人との出会いも、旅行も、同じではないかと思います。

どうか積み重ねる人生を送りましょう。
だって自分が変わっていくことって面白いからです。
去年の自分と比べて今年の自分がちょっと成長した考え方やものの見方ができていることが面白いのです。
それに欠かせないのが人との出会いと本との出合いです。
海外旅行にしても、そこで誰と出会うのか、ただショッピングと観光名所を見てくるだけで終わるのかで全然違います。旅行先に関する本を読むともっと深まります。

みやざき中央新聞はたくさんの講演会を取材してきましたけど、
講演を聴くのはほんのきっかけです。
そこからその講師の本を読むとか、その講師とつながるとか、そこまでしないと前に進まないんです。

そういうことを積み重ねていくと確実に自分に化学変化が起きて、自分がどんどん変わっていき、人生が変わります。