水谷もりひとブログ

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【今朝の朝礼】日本人の精神性とは?

終戦直後、戦争に負けた日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の統制下におかれました。

GHQは何をしたのか。

財閥の解体とかやり、日本の経済力をそぎ落とそうとしました。
日本国憲法を草案して、それまでの封建主義から民主主義の国づくりをしました。
その中には男女平等を入れました。

いろいろやったわけですけど、アメリカの最大の狙いは日本人の精神を骨抜きにすることでした。
というのは、先の戦争でアメリカは、「一体日本人って何なんだ?」と思うわけです。
戦う相手として、一番やってはいけない相手とやってしまったと。

普通の戦争では、武器弾薬がなくなったら降伏します。
両手を上げて出てくれば、敵もそれ以上、攻撃しないんです。
これは国際法で決められたルールなんです。
降伏した相手に対しては、捕虜にして、食事を与え、戦争が終わったら安全に帰国させなければならないというルールがあったんです。

アメリカは第一世界大戦を戦い、その前は南北戦争も経験しています。
人間というのは、戦争に駆り出されたとしても、生きて帰りたいと思っているわけです。

ところが、日本人は違った。
弾薬がなくなって、もう絶対絶命の状況に陥ったとき、降伏しないで、腰の刀を抜いて、「突撃!」と叫んで攻めてくるわけです。それも一人二人の血気盛んな兵士だけではなく、みんなです。どの部隊もです。

アメリカ兵は「えーー!」と思うわけです。
こっちは機関銃を持っているわけです。刀を抜いて走ってくる日本兵なんか相手にならないわけです。
だから、バタバタ撃たれて死ぬんです。
「お前ら、何考えてんだぁ」って。
「それって、戦国時代の戦い方じゃん」って。

打つ方も、戦争とはいえ、人間ですから、鉄砲を持っていない相手を機関銃で撃つなんて、心苦しいわけです。
「お前ら、降伏すれば助けてあげるんだぞ。なんで降伏しないんだ」と思いながら機関銃を撃って日本兵を殺すんです。

だから沖縄戦とか硫黄島とか、悲惨だったわけです。
助かる命だったのに、助けられなかったんです。
やってもやっても日本人は降伏しないから。

もし日本兵を全員やっつけたら、婦人たちが竹やりで攻めてくる勢いだったと。
「そんな竹やりで俺たちを1人もやっつられるわけないだろう」って。
「もう勘弁してくれよ」という感じだったそうです。

それで、戦争が終わりました。
GHQは考えました。もう二度と日本人と戦争したくないと。

それで、戦争の教訓がありました。
日本人を武力で制圧してもダメだと。
日本人をやっつけるには武力ではだめだと。

それで考えたのが日本人の精神を100年くらいかけて、根底からだめにしようって。
まず豊かな食料を与える。どんどん太らせる。
贅沢させる。
ハングリー精神は民族を鍛える原動力になるので、どんどん食べさせようって。

それから豊かな生活を見せつけよう。アメリカの映画をどんどん見せて、アメリカのような生活をしたいと思わせようって。

三つ目が教育です。日本人としての誇りを感じさせるようなことは一切教えてはいけない。それは軍国主義につながるから。
「日本は素晴らしい国だ」と思わせると、それは軍国主義、右翼につながるということで、徹底的に教科書の中から日本はいい国だと思わせる内容を削除していったんです。

たとえば、世界最古の土器は日本で見つかっています。
でもそんなことを教科書に載せたら、「日本ってすごいな」と思うので、載せてはいけないとなったんです。

とにかくこの三つをやっていけば、30年でその教育を受けた子が親になり、60年で孫の世代が大人になる。その頃には日本人の精神は跡形もなく消えるだろうと考えた。

今の若者たちに「日本に誇りを持っていますか?」と聞かれて、6割以上が「いいえ」と答える思います。
今の若者たちに「日本が好きですか?」と聞かれて、6割以上が「別に」と答えるでしょう。
この国が、食べるものなく、いつも戦争ばかりしていて、識字率も低く、満足な文化もなく、治安も悪い国だったら分かります。
でも、食べるものはあり、戦争は絶対しないと宣言し、識字率は世界一高く、文化の宝庫ですし、夜中も女性一人で街を歩けるほど治安がいいんですよ。

GHQの計画は確実に60年で実を結んだと思えました。

ところが、70年目に起こった東日本大震災。そのときにアメリカはびっくりするわけです。
日本人の精神性は健在だった。失われていなかった。
自分を犠牲にしても、弱い人を助けようとする日本人。
大混乱の中、暴動にならないどころか、列をつくって炊き出しを待っている。

なぜ?

実は、それが2000年の歴史の重みだったんです。
日本人のあの精神性は、戦時下の軍国主義教育で、教育されたのではなく、
2000年の歴史の中で、「大きく和する生き方」をDNAに刻んでいたんです。
確かに、軍国主義の教育は間違っていたし、その影響はとてつもなく大きかったですよ。

でも、それ以上の大きな影響力を与えてきたものがあったんです。
それが古事記、日本書紀です。

皆さんが、古事記や日本書紀を学ぼうが、一度も読んだことなかろうが、
私たちは日本人というわけで、もうすでにDNAの中に古事記と日本書紀の考え方の上で生活をしてきたんです。

日本で生活するということは、イコール、古事記や日本書紀という土台の上に生きているということだったんです。
何の疑問もなく。

たとえ、天皇制を思想的に否定している人でさえも古事記や日本書紀の上で反対運動をやっていたのです。

たとえば、国民の祝日です。
国には祝日があります。何をもって祝日にしているかというと、その国にとって大事な日を記念して祝日にしています。
キリスト教の国であればキリストの誕生祭(クリスマス)、キリストの復活祭(イースター)、感謝祭(ハロウィン)。
そもそも日曜日が休みというのは旧約聖書が根拠ですから。

で、日本の場合、国民の祝日は98%が、日本書紀と皇室が根拠です。
たとえば、元旦は宮中で「歳旦祭」という一番重要な祭祀があるので、それにちなんで国民も休みになった。
よその国では元旦はただ年が変わるだけの日です。だからカウントダウンを大晦日にやって、ハッピィーニューイヤーと言い合って終わりです。欧米におせちもおとそもありません。
お正月に国民がやっていることはすべて皇室でやっていることを取り入れているんです。
その根拠は日本書紀です。

成人の日は国民の祝日です。これも男子が15歳になる年の1月15日に元服の儀をやったので、その日を祝日にしています。根拠は日本書紀です。

日本書紀と皇室、いずれも関係していない祝日は体育の日と敬老の日だけです。

2月11日なんか、建国記念日ですよ。神武天皇が即位した日を記念して、ここから日本国が始まりましたと記念する日なんです。

だから、古事記や日本書紀を学校教育からGHQは排除したんです。
神話は非科学的なので教育の現場にはふさわしくない、と。
でも、ノアの方舟とか、マリアの処女懐胎とか、聖書だってめちゃくちゃ非科学的なんですけど、ちゃっかりアメリカの学校では聖書を教えているんですよね。

だから、日本で生きるということは、我々が意識しているしていないに関係なく、日本人にはその精神性が生きているということなんです。
だから、来週号の社説に書きましたが、澤選手のような精神が日本人の心を揺さぶるんです。
東北の奇跡を生むんです。あの秩序正しい生き方があの混乱の中でできるんですね。