水谷もりひとブログ

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ジレンマ

正直、ジレンマです。

安全保障関連法案をめぐって日本が揺れています。

自民党の武藤貴也衆院議員(滋賀4区)が「戦争に行きたくないという考えは極端な利己的考え」と自身のツイッターに書き込んで、それが「自発的に戦争に行く姿勢である」ということでものすごいバッシングを受けています。

でも、彼の主張も理解できます。

「暴力は絶対にいけない」「どんな状況でも暴力で解決することはいけない」
これは正論です。

でも、目の前で誰かが強姦や暴漢に襲われていたらどうしますか?
A群
①その被害者が全然知らない人だったら。
②その被害者がちょっとだけ知っている人だったら。
③その被害者が友達だったら。
④その被害者が自分の家族だったら。

さらにB群、
①そのトラブルの相手が普通の人のように見えたら。
②そのトラブルの相手がヤクザのような人だったら。
③そのトラブルの相手が凶器を持っていたら。

さらにC群
①自分が空手とか合気道の有段者だったら。
②自分はたまたま非番だけど自衛官だったら。
③自分は小さいときから親に「どんな状況でも暴力はいけません」と徹底して言われて育ってきたとしたら。

ジレンマです。

A群とB群とC群の、どの組み合わせなら被害者を助けることができるでしょうか。

もちろん、こっちが自衛官であっても自分の命を落とすかもしれません。
被害にあっている人が全然知らない人だったら助けなくても誰からも責められません。
そもそも自分に腕力がない人は助けられるはずはありません。
武道もやっていなかったらなおさらです。

だから、見てみぬふりをしますか?ということです。

でもね、世の中には、無鉄砲に正義感だけで被害にあっている人を助けようとして命を落とす人がいます。その人はマスコミで絶賛されます。

あるいは、仲介に入って、逆に暴力をふるわれ、それに対抗するために必死で抵抗していたら相手を死なせてしまったらどうでしょうか。正当防衛が認められます。

だから武藤議員の主張も理解できるんです。

だって、世界には常識が通用しない国や民族や集団があって、その武装勢力が何の罪もない人たちを殺りくしていたり、命を脅かしています。

さっきの強姦・暴漢の事例でいうと、「警察を呼びに行く」という方法もあります。
それを世界情勢で考えると、「アメリカさんに頼む」ということになるのでしょうか?

ジレンマですよ。

戦争は絶対にいけません。暴力は絶対にいけません。
でも、目の前で同盟国がわけの分からない武装集団に襲われていたら、
何とかしたいと思います。


正直、安全保障関連法案は、戦場に自衛隊を派遣することもあるということです。
法律が通用しない無法者の暴力に対して武力も行使するってことですよね。

もちろん最小限に被害にするためにこっちの体を鍛える。こっちも防衛体制を高めることも必要でしょ。つまり、日頃から訓練を受けている人たちでなければならないでしょう。

武藤議員をバッシングするのは間違っていると思います。
バッシングする人は「私は見て見ぬふり派です」と豪語するようなものです。

それでいいのかってことです。