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将来は水道工事の仕事をするんだ!

知り合いの髭面のオヤジが「一人新聞」を発行している。
いろんな新聞や雑誌の中から、心温まる記事を集めたものだ。
出展などは書かれていない。

『小児病棟の勇者』という演題の記事も
きっとどっかの新聞の読者投稿なのではないかと思う。
愛知県豊田市の主婦、藤原美里さん、32歳の記事である。

美里さんの生後1か月の息子さんが肺炎で入院した。
そこは8人部屋の病室だった。
いろんな子どもたちがいた。
みんな母親が付き添っていた。

その中に1人だけ誰も付き添っていない少年がいた。
話を聞くと、小学4年生で、下の弟がまだ赤ちゃんなので、
母親が付き添いに来れないそうだ。
そして、数日後には手術の日を控えているとのこと。

日が経ち、小さな入院患者は1人、2人と退院し、
とうとうその病室はその少年と美里さんの赤ちゃんだけになってしまった。

ある日の夜、生後1か月の赤ちゃんはずっと機嫌が悪く、むずかっていた。
美里さんは一瞬も目が離せず、トイレにも行けない状況だった。

その時、その少年が「おばちゃん、ボク、売店に行くんだけど、買ってくるものある?」
と声を掛けてきた。

その心遣いが嬉しくて嬉しくて、
心細さに落ち込んでいた心にが一気に明るくなった。

それから、少年は事あるごとに美里さんの手助けをしてくれた。

「ボク、大きくなったら何になるの?」と聞くと、
「ボクは長男だからお父さんの後を継いで水道工事の仕事をする」と、
目をキラキラさせて言った。

美里さんの赤ちゃんが退院する日が、少年の手術の日だった。
美里さんがお礼を言うと、
少年は「赤ちゃんの病気がよくなってよかったですね」と言った。

美里さんの息子さんはもうすぐ2歳になる。
あの病院で出会った少年のことが今でも忘れられない。
彼はきっといい青年に成長するだろうなぁと思いを馳せる。

そして
2歳の息子を見ながら、「あんなお兄ちゃんになってほしいなぁ」と思うのだった。