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「わくわく」か、それとも「どきどき」か。

9月4日号の社説にインド映画『ぼくと1ルピーの神様』という小説の話を書いた。
この本と出会ったとき、「わくわく」した。
夢中でページをめくった。

学校も出ていない、スラム街で育った孤児の青年が、
「クイズ・ミリオネア」に出場して、大金を獲得する物語だ。

テレビのプロデューサーは、
「あんな無学で貧乏な若者が12問全問正解するはずはない。
 なにか不正をしたに違いない」と確信して、警察に逮捕させる。
彼は警察ですさまじい拷問を受ける。

実際には彼はクイズの答えが奇跡的に分かった。
なぜならクイズに関することを、彼は自分の人生の中ですべて経験していたから。

世界の中で、インドほど日本人から見て理解できない価値観で生きている国はない。
すごい国だ。「すごい」には超否定的な意味も含まれ、少し肯定的な意味も含まれる。
とにかくインドのはめちゃくちゃな面とすごい力強さがある。
その両方をこの物語は訴えてくる。

実は、『ぼくと1ルピーの神様』は映画化されている。
で、今日はそれをDVDで観た。
映画のタイトルは『スラムドッグ・ミリオネア』。
映画は「わくわく」はしなかった。代わりに「どきどき」の連続だった。

映画のストーリーは原作と全然違っていた。
映画には映画の良さがあるし、小説には小説の良さがある。

両方に興味ある人はまずDVDを最初に見て、次に本がいい。
どっちか一つでいいという人は本のほうがいい。
どっちも興味ない人は、日頃、何に触れてもわくわくしない残念な人なのかも。