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取材ノート 2654号(2016/07/04)
強く優しい草の愛

中部特派員 山本孝弘
 抜いても抜いても生えてくる草のたくましさ、アスファルトの隙間からも生えてくる草の力強さには目を見張るものがあります。

 中学生のときに光合成について習い、小さな草でも、人が生きていくために必要な酸素を出していると知りました。

 そのとき、草の存在に敬意にも似た思いが込み上げてきたのを覚えています。

◎          ◎


 先日、浜松市で開催された赤峰勝人さんの講演に行ってきました。

 大分県で農業を営んでいる赤峰さんは、食品添加物や農薬に汚染された野菜の恐ろしさを訴え、無農薬・無化学肥料の野菜を育てています。本紙にも2012年に掲載されました。

 著書『ニンジンから宇宙へ』(なずなワールド)には、「命のエネルギーは、太陽の光を元に、形を変えながら宇宙を循環している」と書かれています。

 赤峰さんは、一本の間引いたニンジンを見つめていたときに突然宇宙の仕組みが見え、限りない幸せに包まれたそうです。

 重傷を負ったご自身の大事故や、亡くなった息子さんの話などを交えて分かりやすく書いてありました。

 赤峰さんによると、畑に生えてくるすべての草は薬草であり、肥料であり、酸素の作り手であり、豊かな土を育てるために欠かせない力を持っているそうです。

 それゆえに赤峰さんは草を「神草」と呼んでいます。

 また、赤峰さんは毎年3月に野草会を主催しています。摘んだ野草を料理して、みんなで食べるパーティーです。

 子どもたちの生き生きとした笑顔の写真を見て、私もいつか参加してみたいと思いました。

 食べられる野草は身近にたくさん生えています。天ぷら、和え物、お浸し、ごま油炒めなど、私もいろいろな料理に挑戦しています。最近はスギナを天日干ししたものを粉にし、スギナ茶を楽しんでいます。

 自然に生える草の命をいただくことは、身体に良いだけでなく、心を穏やかにする不思議な力がある気がします。

 赤峰さんの言う「神草」という言葉がすうっと心に落ちてきました。

◎          ◎


 自然料理研究家の岡田恭子さんは、著書『食べる野草図鑑』(日東書院本社)でこのように述べています。

 「私が野草料理をおすすめするのは、体にいいから、ただでお得だからではありません。野草を通して地球と自分を愛してほしいからなんです」

 赤峰さんの言う「宇宙の循環の輪」に通じるものがあり、「神草」という言葉と同じく、心にすっと染み込んでいくような優しい言葉でした。ますます草の魅力に取りつかれそうです。

 ちなみに、小学3年生になるうちの息子の名前は「草太(そうた)」です。草の強さ、優しさにあやかりました。
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