水谷もりひとブログ

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あなたの魅力をつくる~その1

人としての魅力というか、才能というか、
あなたの内側に秘めたものを際立たせるものが、
普段の何気ない行動、行為である。

それを「しぐさ」といい、
さらに日本人の場合、「やまとしぐさ」という。

千年以上も昔から
生活の中で親や祖父母から伝えられてきた「生活の中の型」がそれ。

知っていたことや身についていたこともあるかもしれない。
あるいは、これが「やまとしぐさ」だったことは知らなかったかもしれない。
そんなことを
辻中公(くみ)さんの新著『あなたの才能が輝く“やまとしぐさ”お稽古』から
紹介してみよう。

①お辞儀
「おはようございます」とか「おはよう」と朝の挨拶をするとき、
そこには「型」があった。それがお辞儀である。
お辞儀は、背筋を伸ばしてする。
和室でする場合は、ひざまずいて両手を膝の前に置き、背筋を伸ばして
「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」という気持ちを込めて
「おはようございます」とお辞儀をすると、美しい「型」、しぐさになる。
そこに相手への尊敬がある。
だから「お辞儀」の「お」は外せない。

②玄関の敷居を踏まないでまたぐ
昔から言われていること。
なぜ?

家の門の敷居は「結界」である。
こちら側と向こう側、家の外と中を分ける結界。
「結界」とは、こっち側と向こう側を分ける「けじめ」であり、
それぞれの側を尊重するということ。
だから踏まない。踏んではいけない。
だから昔の人は「敷居はご先祖様の頭」という言い方をして
踏ませないようにした。「結界」といっても子供には分からないからね。

③見えなくなるまで見送る。余情残心
「瞬間」「瞬間」を大事にするのが日本の文化。
見送っている瞬間を大事するから「見送り」にもちゃんと型があり、心がある。
だから「見えなくなるまで見送る」。
見送る人も見送られる人も
そのしばしの別れの瞬間に
相手の幸せ、安寧、無事を祈る。
もちろんそこには感謝の心が込められている。
だから最後の最後まで、姿が見えなくなるまで
見送る人はその場に立ち尽くす。
見送られる人は見送る人に心を寄せる。
これが「余情残心」

④毎日空を見上げる
空を見上げるとマイナスの気持ちが吹っ飛ぶ。
「悔しい」「畜生!」「バカヤロー」「もうダメ」「無理無理」という気持ちが吹っ飛ぶ。
「空」には何か不思議な力があるようだ。
空は「くう」とも呼ぶ。
般若心経の中で最も多く出てくる言葉が「空(くう)」だ。
「空(くう)」は「無」であり、古代インドの概念でいうと「ゼロ」という心の境地。
だからすべてを包み込む。
すべての悩みがなくなる。
すべての悩みが小さなことに思えてくる。

そして「空」は「天」でもある。
「天」とは神であり、宇宙であり、自然界を覆う物。
その象徴が「空」。

だから「空を見上げる」という「型」は前向きに生きていく姿勢である。
昔の人は空を見上げて決意し、
空を見上げて悲しいことを吹き払い、
空を見上げて笑顔になった。