一生に一度しかない全校リレーの一番手
10月23日、小学1年生の孫の運動会に行った。コロナの関係で保護者は2人までというお達しが来ていた。
だからじじぃまで行く枠はないのだが、「大丈夫だよ」と娘が言うので行った。
確かに校門を入る時、チェックはされなかった。
プログラムには9時25分から1年生のリレー、9時50分からダンスになっていた。
さすがデジタルの時代である。分刻みである。
それに間に合うように行ったのだが、
なんと実際は予定通りに進まず、早めにどんどん進んで、
学校に着いたときには、ダンスまで終わっていて、何も見れなかった。
子どもはやはりアナログな生き物だ。
僕自身の小学校の運動会の風景は何となく覚えているが、
具体的なエピソードは何も覚えていない。
6年生のダンスで誰と手をつないだとか、
4年生の時の徒競走の順位とか。
ただ一つだけ、これは母の口から聞いたことなので
自分の記憶ではないのだが……。
僕は足が速かった。
1年生から6年生までプログラムの最後の競技「全校リレー」の選手だった。
スタートは1年生だ。
母は僕がスタートをするところを「見なかった」と言っていた。
胸がドキドキ、張り裂けるように怖くて「見れなかった」と。
スタートラインに立った時からずっと下を向いていたと。
僕以上に緊張して緊張して緊張して・・・・
ピストルの音が鳴ってもずっと下を向いていたそうだ。
しばらくして誰かが母に叫んだ。「ほら見てん!あんたんとこの子が1番やが!」
僕は一生に一回しか走れない小学校の全校リレーの一番手として
一番で2年生にバトンを渡したらしい。