バックナンバー

紙面サンプル(PDF) 見本紙1  見本紙2

2022年 9月12日 2945号

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聞き書きの世界へようこそ!
聞き書き作家
小田豊二さん
言葉を残すとはいのちを残すこと


…「聞き書き」は、その人の人生を聞かせてもらうんですけど、その話は長いです。でも聞きながら心に残る言葉がある。その言葉を書き残す。それがその人の「いのち」を残すということです。皆さんの中でご両親が亡くなられている方がいるとしたら、「親にもっと話を聞いておけばよかった」と必ず思っているはずです。もしご健在であれば、ぜひお父さんお母さんの言葉を残しておいてください。今晩でも電話をすればいいんです。 たとえば、…【続きはこちらから】

社説
重なりのないところに重なりを
魂の編集長 水谷もりひと


時代が20世紀から21世紀に移り変わろうとしていた頃、国内有数の大手自動車メーカーN社が倒産の危機にあった。負債は約2兆円。1日100万円を365日、毎日返済し続けても5000年はかかる額だ。その天文学的な借金を、N社は1999年から始めた大改革により、わずか4年で完済した。外国資本の投入や大規模なリストラが大きな要因ではあったが、それは外的要因で、本当の改革は…【続きはこちらから】

2022年 9月5日 2944号

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日本一幸せな働き甲斐改革
西精工株式会社 代表取締役社長
西泰宏さん
「社員数×4」の経営をする


…私は、ゼロから経営の勉強を始めました。その時に「先生」としたのが「経営の神様」と称される京セラ名誉会長の稲盛和夫さんです。稲盛さんが作った「盛和塾」という経営塾があります。稲盛さんの考え方を学んだ経営者の方が「こういうことを会社で実践してこんな結果が出ました」と発表する場で、稲盛さんから直接、非常に厳しい指導をいただけるのです。盛和塾に入って1年くらいの時、ある経営者の方が…【続きはこちらから】

社説
小さな幸せより運命を生ききる
魂の編集長 水谷もりひと


…「小さな幸せ」といえば、文筆家の執行草舟さんが『脱人間論』(講談社)という、非常に難解な本で、そんなことについて触れていたのを思い出した。取り出してその箇所を探した。「『小さな幸せ』の席捲(せっけん)」という章だった。要約すると次のような内容である。日本人はいつから「家族」という幸せの象徴のようなものにしがみつき、それを自慢したり、目標にしたりするようになったのか。それは…【続きはこちらから】

2022年 8月22日 2943号

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南極観測隊の食事事情
元南極地域観測隊越冬調理隊員
篠原洋一さん
食事で隊員の心をケア~南極の料理人としての心得


…南極の観測基地という閉鎖空間で暮らす隊員にとって、数少ない楽しみの一つが日々の食事です。「料理人は南極で何を作っているの?」「南極ではどんな食材を使っているの?」とよく聞かれます。実は「南極条約」という決まりで、南極では動物を取ったり魚を釣ったりすることができません。また、南極に着くと途中で食材を補給することも一切できません。そのため、南極へ行く前に約1年3か月間の30人分の食材を調達します。南極に持っていく食材は…【続きはこちらから】

社説
切れないその絆は、時空を超えて……
中部支局長 山本孝弘


…愛知県春日井市に熊谷文男(51)という友人がいる。彼は物心ついた時から父親がいなかった。幼少の頃に父は家を出て行ったのだ。そのことを恨んだまま彼は大人になった。父はまだ生きている、そう人づてには聞いていたが、早くに父を亡くした熊谷さんの妻がある日、涙を浮かべてこう言った。「生きているのに会って分かり合えないなんて、そんな悲しいことはない」38歳になった熊谷さんは初めて父に会う決意をし、故郷の秋田に帰り居所を探した。父は…【続きはこちらから】

2022年 8月15日 2942号

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未来への遺産
ヤマト・ユダヤ友好協会 会長/赤塚建設 代表取締役
赤塚高仁さん
軍医・上島先生に誓ったこと


僕の尊敬する先生で、三重県名張(なばり)市で小児科医をしていた上島英義という方がいます。ある時、上島先生に「赤塚君、観音堂を建ててくれんか」と言われました。「死んだ妻と先に逝った娘、そしてペリリューの戦友たちを祀(まつ)りたい」と言って白い珊瑚の砂を僕に見せてくれました。「ペリリューってどこにあるんですか?」と聞くと、「パラオや。そこにオレンジビーチというところがあってな」と先生が言われるので…【続きはこちらから】

社説
命のエネルギーを渡す最期の時
魂の編集長 水谷もりひと


映画『みとりし』を家族で観た。タイミングがよかった。先月初旬、妻が岐阜県の老人ホームで生活していた96歳の母親をガラス越しに見舞った際、この3年、一歩も外に出ていないと職員から聞いた。このままコロナ禍が続くと最期の瞬間にも立ち会えないと思い、宮崎の我が家で引き取ることにした。我々家族が介護生活に慣れてきた頃、義母は…【続きはこちらから】

2022年 8月8日 2941号

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思い込みをぶち壊す
九州大学芸術工学研究院准教授
妹尾武治さん
「88%評価のシャンプー」は売れるか?


…私が皆さんに言いたいことは、「なるべく思い込まないでほしい」ということです。ちょっと皆さん、次の文章を読んで考えてみてください。「スミス医師は大学病院の外科の教授です。手術時も常に冷静沈着な名医です。将来は病院の理事長を嘱望されています。ある日、病院に搬送されてきた父と子。父は即死。子は重体。それを目にしてスミス医師は驚愕します。なんと重体の子は、スミス医師の実の子どもだったのです」こんなことが起こるのはなぜでしょう? ヒントですけど、…【続きはこちらから】

社説
情報の波に溺れる前に古典に逃げよ
魂の編集長 水谷もりひと


…ネットの世界でも何か好みの情報を得ようとする時、価値ある情報とゴミのような情報を見極めるのは容易ではない。例えば検索サイトを立ち上げる。否応なしにいろんなニュースが目に飛び込んでくる。見出しの付け方があまりにもお見事なので、気になって、どうでもいいと分かっていても、ついクリックして見てしまう。絶え間なく打ち寄せる情報の波から、次はどこに避難しようか。いいところを見つけた。暑さから逃れる避暑地のようなところがあった…【続きはこちらから】