バックナンバー

紙面サンプル(PDF) 見本紙1  見本紙2

2023年 5月1日 2975号

null

生物はなぜ老い、そして死ぬのか
東京大学教授
小林武彦さん
私たちの「超ご先祖様」とは?


…今回はそのゲノムの観点から、「生き物はなぜ老いて、そして死ぬのか」ということを考えていきます。生物学では、何か分からないことがあった時、進化の過程をさかのぼって考えます。「なぜこの動物にこんな機能があるの?」「なぜこの動物にはこんな遺伝子があるの?」。こういった疑問は進化の過程をたどると答えが見つかることがあります。そこですべての生命につきまとう老化や死の理由も、さかのぼって考えてみましょう。38億年前の生命誕生の瞬間にタイムトラベルです。生命が生まれた舞台は…【続きはこちらから】

社説
ローマ皇帝の悩みが覗ける「ドア」
魂の編集長 水谷もりひと


「令和」改元後初の統一地方選挙が終わった。あの選挙期間というのは、告示日から投票日前日までの短い期間だが我々庶民が日本国憲法前文に謳われている「国民主権」をほんの少し実感できる唯一の期間ではないかと思う。その選挙期間中に丸山敏秋著『風のゆくえ』(倫理研究所)を読んでいたら、いいタイミングで旨い一文を見つけた。当選したすべての人に贈りたい一文だ。西郷隆盛の『南洲翁遺訓』第20条である。「どんなに制度や方法を論議しても、…【続きはこちらから】

2023年 4月24日 2974号

null

男でも女でもおもろかったらええやん!
落語家
桂二葉さん
鶴瓶師匠の追っかけから落語家の道へ


…小学生の時、二つ上の先輩にタカフミ君という子がいました。私は彼のことがすごく好きでした。タカフミ君はいわゆる「いちびり(お調子者)」だったんですね。「俺なぁ、砂場の砂食えるしな」とか、「俺、ゲップ200回連続でできるしな」などと、「そんなの威張ることではないだろう」と思うようなアホなことを堂々と言っていました。その頃の私は勉強ができるほうではなかったので、「自分はアホだ」という自信はありました。でも、…【続きはこちらから】

社説
実は「我思う前に我あり」かもしれない
中部支局長 山本孝弘


先日、NHKの『ワイルドライフ』という番組でカマキリの特集を観た。驚いたのは日本にはいない「ハナカマキリ」という種だ。赤や白の混じった体色はとても綺麗でお洒落。その姿で緑の葉っぱに居座ると当然目立つ。一見すると花びらのように見え、虫たちは自らカマキリに寄ってくる。昆虫の「擬態」は草や木の葉の色合いと同化して身を隠すものだけだと思っていたが、あえて目立つことで身を隠す擬態もあることに驚いた。そして何より驚いたのが…【続きはこちらから】

2023年 4月17日 2973号

null

幸せになれる四つの力
株式会社日立製作所フェロー/株式会社ハピネスプラネット代表取締役CEO
矢野和男さん
「幸せ」の研究によって分かったこと


…「仕事がうまくいったら幸せになれる」「健康だったら幸せになれる」とか、そんなふうに「〇〇だったら幸せになれる」と考えている人も多いと思います。でも、この「〇〇だったら」という条件と「幸せになれる」という結果に因果関係は弱いというデータが出ています。さらに言うと、「実はその逆の因果関係が強かった」ということも分かってきました。つまり、…【続きはこちらから】

社説
森羅万象、最も偉大な生物は〇だった
魂の編集長 水谷もりひと


…神が創造し給うたといわれている森羅万象の中で、最も偉大な被造物は「人間」だと思っていた。太古の昔からすぐれた精神文化を創り、その土台の上に文明を開化させた生き物は、我々ホモ・サピエンス以外にいない。人間が「万物の霊長」といわれる所以(ゆえん)である。しかし、その考えを改めなければならないような話を聞いた。その「偉大な」とか「万物の霊長」といわれている人間を存在たらしめ、その生命を支配している生物がいる。それこそ…【続きはこちらから】

2023年 4月10日 2972号

null

生き方は未来への恩返し
大日本茶道協会会長/広山流華道教授/茶懐石・宋絃流師範
松平洋史子さん
「仁・義・礼・智・信」の女性たち~幸せの架け橋を築くために


…今日は未来への恩返しとしてお話しいたします。松平家の歴史に関係するお話です。特に私に関係する5人の女性の生き方を「仁・義・礼・智・信」という儒教で説く五常に合わせて、「こんな幸せな架け橋を皆で築いていきましょう」というお話をします。一人目は「仁」―私の曽祖母・松平千代子の「育てる愛」の話です。千代子の元の名は「弥千代姫」といい、近江彦根藩の藩主で、江戸幕府の大老を務めた井伊直弼(いい・なおすけ)の次女です。江戸時代、武家の女性は…【続きはこちらから】

社説
貴社の見込み客はどこにいますか?
魂の編集長 水谷もりひと


…十勝バスのことは、本紙コラムを担当している中村信仁さん主宰の永業塾で知った。その日の勉強会でピーター・ドラッカーの「分からないことは見込み客に聞け」という話になった。ドラッカーは「見込み客」を「顧客であってもおかしくないのに顧客になっていない人」と定義している。例に出されたのが十勝バスだった。かつて市民の足だった路線バス。マイカーの普及に押されて1970年代を境にその利用客は激減していく。十勝バスも例外ではなかった。大正15年創業の老舗企業だが…【続きはこちらから】

2023年 4月3日 2971号

null

がん専門医が語る命の食事
ナグモクリニック総院長
南雲吉則さん
30年で、がんの死亡者数を半減させる


…よく「早期発見、早期治療が大切」といわれます。乳がん検診についても、「マンモグラフィー検査を受けましょう」と呼びかけ続けています。しかし乳がんの死亡率は減るどころか、この30年間で約3倍に増えました。がん全体の死亡率も増え続けています。私はこれを何とかしたいのです。がんには、「増えているがん」と「減っているがん」とがあります。減っているのは…【続きはこちらから】

社説
農と教育を結ぶ「シン・農学校」
魂の編集長 水谷もりひと


一筋縄ではいかない問題が山積している現代社会。最近気になったのは輸入小麦の値上げだ。日本人の主食は長い間、米だった。しかし、一人当たりの米の消費量はこの半世紀で半減している。代わってパンや麺類が食卓に上っているのはご承知の通り。その原材料となる小麦が9割も輸入に頼っているという。アメリカ産49%、カナダ産34%、オーストラリア産17%である。小麦の安定供給のために国が…【続きはこちらから】