くるみノート

久しぶりの台湾訪問

先日の台湾総統選挙の当日台北入りをしました。

前日までの選挙活動も終わり、民進党・蔡英文氏の再選で、
師走の日常が戻った台北でした。

 台湾は総統を直接国民が選ぶのですが、
それぞれの本籍地に戻って投票をするため、
投票日の前は故郷に戻る人たちで
列車は大変な混雑ぶりだったそうです。

息子の彼女もわざわざ台北から
台中の高雄に戻って投票をしてきました。

息子には選挙権はありませんが、
友人と投票日前日の集会に行ったときのお祭りのような
にぎやかさの動画を見せてくれました。

投票率74.9%というのは国中がにぎわっていたということです。

私が台湾に行ったのは、白駒妃登美さんの台湾ツアーに参加するためでした。
以前取材をした門田隆将さん、藤重太さんが案内してくれる3日間なので、
それは実のある濃厚なツアーとなりました。

香港でも民主化を求めるデモが長く続き、
そこに台湾の若い人たちが応援に行っている話も聞いていましたが、
どうしてそこまで行動ができるのかが不思議でした。

対岸の火事のようにもとらえていました。

私にとっては何度目かの台湾で、
ようやく歴史の背景も認識できるようになってきました。

日本の敗戦で台湾がこれからどう独立していくのかという時に、
中国の覇権争いで毛沢東に負けた蒋介石が率いる国民党軍が台湾に流れ込みました。

蒋介石が台湾を武力で統治することになり、
混乱した台湾では38年という異例の長さの戒厳令が敷かれるような国になりました。

日本では蒋介石のイメージは一般的に悪くないのですが、
私の知る台湾の人たちが「国民党や蒋介石大嫌い」なのか不思議でした。

今回のツアーで歴史資料館「2・28記念館」を訪れました。

戦後1947年2月28日の抗議デモをきっかけに
国民党軍により台湾での大量大虐殺が行われたことを知りました。

本当にというのは、その事実が長い間封印されてきたからです。

台湾にやってきた国民党軍は、
訓練された軍隊ではなく中国本土の農民たちの寄せ集めの軍隊だったこと。

当時の台湾人はその統治に耐えられなかったこと。

デモ以降は知識人や将来ある大学生たちは
治安を乱すという理由で計画的に弾圧や惨殺をされました。

この事実は長い間封印されてきましたが、李登輝総統の時代になり、
その事実がようやく認められ、記念館が建てられました。

どうであれ、今デモをしても、自由な意見をいっても逮捕されない、
自由民主の国になっていますが、その当たり前に思える状況も、
日本が敗戦後復興して命の危険にさらされない状況だったとは裏腹に、
何万人(今も数が分からない)と殺されてきたのが台湾の戦後だったのです。

香港の民主化を求めるデモを見ながら、
台湾の人たちは、「次は台湾だ」と恐れを持ちました。

そして今回の蔡英文氏の再選となりました。

下記の動画は投票日前日の蔡氏のスピーチです。

若者たちに向けた熱いメッセージに私も胸が熱くなりました。



この動画は門田さんに教えていただいたもので、fangさんのツイッターから持ってきました。