2022年 2月21日 2918号
シベリアのバイオリン
ピアノ教師/静岡県文学連盟所属
窪田由佳子さん
「自由に弾きたい」その一心で満州へ
…父の話に入りたいと思います。窪田一郎は大正14年(1925年)、静岡市に6人兄弟の長男として生まれました。ちょっと変わった子どもで、小さい頃から機械いじりが大好きだったそうです。おもちゃを分解したり、作り直したりして遊ぶ少年でした。楽器も大好きで、最初はハーモニカに夢中になりました。いくつも吹きつぶすほどに吹いて、「街では結構有名なハーモニカ少年だった」と本人は語っていました。その後、一郎は…【続きはこちらから】
社説
生きる美を醸し出すのは死生観
魂の編集長 水谷もりひと
…役者「仲代達矢」をつくったのは間違いなく女優で、脚本家、演出家でもあった妻の恭子(やすこ)さんだろう。国民の娯楽が映画からテレビに取って代わった1970年代、映画は斜陽産業になった。映画会社に所属していた映画監督や大物俳優は次々に自分のプロダクションをつくって独立した。75年、仲代さんと恭子さんは役者の卵を育てる塾費無料の「無名塾」を立ち上げた。その時、恭子さんは言った。「これで…【続きはこちらから】