2022年 7月4日 2936号
障害再考
作家・コラムニスト
小林春彦さん
18歳、「見えない障害」を抱えて
僕は人に説明しづらい障害を持つ当事者として、自分を語るための言葉探しを10年ほど続けてきました。その中で様々な人と交流してきて、障害とは当事者にしか分からないことがとてもたくさんあることに気が付きました。例えば、昔全盲の友達に「昨日すごく怖い夢を見てさ」と話しかけられたことがあるのですが、私は思わず「え? 生まれてから目が見えたことないんだよね? 夢見るの?」と聞き返しました。すると…【続きはこちらから】
社説
「否定」は案外人生の隠し味になる
魂の編集長 水谷もりひと
…「無菌状態」を別の視点で見てみると、それは生まれてこのかた親から否定されることもなく、失敗も挫折もなく、周囲に悪友もいない状態とでも言えようか。そんな環境で育った人のことを「免疫がない」と、医学用語を使って言ったりもする。要は、人間誰しも「幸せを求める」という性(さが)があり、それ故、否定されることで穏やかな心が乱されることを嫌う。失敗はしたくないから無謀な挑戦を避ける。意見が違う人を馬鹿呼ばわりして敵視することもある。それもまたある意味、…【続きはこちら