とね書

縦糸の読書

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※注意するところ:長文なので途中で疲れます。



『子どもの学力と親の年収は比例している。』
随分前に、九州大学助教、佐藤剛史先生がFBに投稿しているのを見たとき、憤りを感じました。

その投稿を見た日私は、家に帰り夕食を囲みながら、家族でそのことについて話し合ったことがあります。
宮崎の公立高校に通っている子でも、一流の大学や、国公立の大学に進学する子たちも多くいます。その子たちが全員、医者の息子か、弁護士の娘かというとそうでもありません。

その時は、年収だけじゃない!と家族全員で負け惜しみを言いいながらも、でもねぇ、お金があるところは、塾に通わせたり、家庭教師に見てもらったりと、教育にお金を掛けられるから当たり前って言えば当たり前だよね。
むしろ、そんな境遇にいない田舎の子どもたちが国公立の大学に進学するのって、ほとんど自力じゃん。本当にすごいよね!って。

しかも、いい大学に進んでいい会社に就職して、それが幸せ?というと決してそうではないのは分かりきったことだよね!
と、その時の会話はそれで終了しました。

それでも私は、我が家の年収の低さをずっと気にしていましたし、そんな境遇の家の子に生んじゃって、学歴のないかーちゃんでごめんねと自分を責め続けていました。



週末、佐藤先生が宮崎大学で講演されることを知ったので、聴きにいきました。
当然、その話も出るだろうと思い、思い切って質問してやろう!と思いました。
けれど納得してしまいました。年収の低さにではありません。
年収が低くたって、立派に学力を伸ばせる子たちが確かにいるということを。
それは、語彙力だということなんです。
ようやく納得できた言葉でした。

幼少期には読み聞かせを充分にやり、家庭内での対話を大事にし、小学校に上がる頃には自分でも本を読むような家庭環境にある子たちは当然語彙力がつきます。

以前、みやざき中央新聞の社説「2554号(2014/05/19)限界ラインは誰が引いたのか」に登場したソフトバンクのCEO・孫正義氏だって、極貧の子ども時代を過ごしてこられたのです。それでもお父さんから「お前は大物になるぞ」とか「お前は日本一になるぞ」と、よく言われて育ち、本人も「ひょっとしたら俺は天才かもしれん」と思い込むようになったそうです。



現在ある仕事の殆どは、将来AIに取って変わるという話は有名ですね。
将棋の世界でも、AIの頭脳と対決して勝てないなどと言われます。
イオンではレジに並ばずして、レジのかわいいお姉さんと代金のやりとりをすることも無く、自分でピッピッと会計を済ませられます。

では、AIに東大の入試問題を解かせて合格できるかの実験をした時にどうなるか。
・・・実は合格できないそうです。
AIは言語処理能力に欠けるそうなんです。
数学の計算処理はできても、文章を理解して回答する応用問題や、国語や英語の言語を主とする問題は偏差値50以下という結果が出ていました。
要するに、AIの時代が来ても、言語能力さえ身につけておけば、AIに振り回されない仕事も確かにあるということです。
芸術やスポーツ選手もAIとは無縁ですね。

さて、佐藤先生の講演を聴いた日の午後、私は東京江戸川区に『読書のすすめ』というお店を構える本屋、清水克衛店長の『逆のものさし講』に参加しました。


『逆のものさし講』と言うのは、「本を読みなさい!」と言っているのではなく、「本を読みたいという人を増やしたい」という気持ちで始められた講座だそうです。

現代の30代~40代の若者がひと月に読む本の平均冊数は1冊にも満たないそうです。
一方、年収3,000万以上稼ぐ人たちは、平均で月に10冊弱もの本を読んでいるそうなんです。
忙しいから本を読む暇がないなんて、泣き言を言っている場合ではありませんね。

清水店長は、読書こそがAIに振り回されない人生を送ることができるのだ!と、佐藤先生と同じことをおっしゃいました。

『正反合』という言葉があり、正しいと思うことを反対から見て、その両方を合わせ持って考える事が大事だと教えていただきました。

外的開花は、例えば、今までは歩いていた人々が、自動車という便利なものができ、みんなが車に乗り始め、車に合わせる人(社会のことかな?)になっていくこと。
内的開花は、車に合わせる社会で果たしていいのだろうかと、考えることだそうです。
そうやって考えることによって、人々は次元上昇(アセンション)する事ができるとおっしゃいました。

『時代が変わっても変わらない読書』、これを縦糸の読書と言うそうです。

私はこれまで、清水店長がオススメする本は内容が小難しくて、読んでいても中々ページが進まないので、自分のレベルにあった本ばかり選んでいました。
けれど、文字の読める大人が、少し難しい本を読んで考える力を培わないでどうするんだと一蹴されました。
セミナー中毒になって勉強したつもりになっているよりも、読書をしてさえいればそれで充分勉強できるんだともハッキリおっしゃいました。確かに。
これが勉強することなんだなと思い、この本を買って帰った次第です(笑)

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ナポレオン・ヒルは、「思考は現実化する」で有名な方です。
この「悪魔を出し抜け!」は、その同じ時期に書かれた本でしたが、70年もの間封印され、今になってようやく文庫化された本らしいのです。
内容はまだ読んでいないのでおはなしできませんが、この世の人々の98%は悪魔に操られていると言う、悪魔との対話形式で書かれています。
そして、どうしても操られない人がいると。それはどうやら考える人らしいんですね。
清水店長はハッキリいいました。
考える人は縦糸の読書ができる人なんだと。

今、宮崎では「日本一の読書県にしよう」と、プロジェクトがスタートしています。
語彙力を磨き、縦糸の読書ができるカッコイイ大人になるための努力をしようと、改めておもいました。



熱くなりすぎてすみません。
今後、まとめる能力も身につけたいと思います(汗)