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取材ノート 2669号(2016/10/24)
カラスは、考える。

編集部 増田翔子
 イソップ物語に「カラスと水差し」というお話があります。

 喉の渇いたカラスが水の入った水差しを見つけます。しかし水は少ししか入っておらず、カラスのくちばしでは深い水差しの底まで届きません。

 カラスはその水を飲むためにいろいろと考えを巡らせ、やがて水差しに小石を入れることを思いつきます。小石を入れるたびに水位が上がり、やがてくちばしが届いて水を飲めた、というお話です。

 実はこのお話、頭のいいカラスなら本当にできるというから驚きです。実際にその映像がNHK Eテレ「考えるカラス」の番組内で放送されています。

◎          ◎


 この「考えるカラス」は、科学の知識ではなく、科学の考え方を学んでもらおうと始まった番組です。そのポイントは「観察し、仮説を立て、実験し、考察する」こと。

 「カラスと水差し」のカラスも、水差しの形や水位を観察し、「小石を入れたらどうなるだろう?」と仮説を立てて実験を行いました。その結果、水位が上がることに気付いたカラスは小石を入れ続けたというわけです。

◎          ◎


 番組の途中には「考える練習」という斬新なコーナーがあります。

 何が斬新なのか? 最初に、ある実験の3択クイズが出され、「まずは考えてみよう」と言われます。

 その後、実際に実験が行われ、なぜそのような結果になるのかの解説が始まるのですが、「これから」というところで番組の幕が下り、こんなナレーションが流れるのです。

 「ここから先は自分で考えよう。これからはみんなが考えるカラス」

 その解説が翌週に流れるわけでもなく、「続きはウェブで」というわけでもありません。唐突に番組が終わってしまうので、「もやもや」した気持ちになります。

 この「もやもや」している状態こそ、頭をフル回転させて考えている証拠なのだそうです。

 番組を見た人からは「もやもやするけど考えるのが楽しい」「いつも夫婦で考えています」との意見が寄せられています。

 中には、図書館で調べたり、大人に聞いたりして自分なりの答えを出した小学生もいるそうです。あえて最後まで解説しないことで、考えた人の数だけの考え方が生まれるんですね。

 答えを聞く前に、一旦自分で考えてみる。そのワンステップが頭をやわらかくしてくれるのだと思います。

◎          ◎


 さて、「考える練習」です。なぜ日本では夏は暑く、冬は寒いのでしょうか?

 これは、地球が太陽の周りを1年かけて回っていることが関係しています。そのとき地球の地軸が……

 「ここから先は自分で考えよう。これからはあなたが考えるカラス」
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2723号2017年12月18日発行

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