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取材ノート 2708号(2017/08/28)
小さな恋のメロディ

中部特派員 山本孝弘
 先日、地域の夏祭りがありました。妻がPTAの役員をしており、2週間くらい前から準備が大変でした。

 妻は「チュロス」の販売を担当していましたが、私はチュロスなどというものは知らず、最初オーケストラに使われる楽器かと思いました。「夏祭りでそんなものは売れるわけない」と思っていたら、外国の揚げ菓子のことでした。

◎          ◎


 時代の流れで、露店で売られているものは少しずつ変化しているようです。射的や輪投げは昔からありましたが、私が子どもの頃はスーパーボールすくいはありませんでした。チュロスも売っていませんでした。

 今は見掛けなくなりましたが、昔はよく「カラーひよこ」が売られていました。若い人にはわからないかも知れません。

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 祭りを楽しんでいると、小学4年生の息子が「お小遣いをくれ」と言ってきました。

 「欲しいものがあったらその時に買ってあげる」と言うと、「お父さんと一緒にいるわけじゃない」と言われてしまいました。それはもっともだなと思い、少しのお小遣いをあげました。

 すると息子と同じクラスの女の子がやって来て、照れ臭そうに私にあいさつをしました。

 「こんにちは、暑いね」と答える私をよそに、息子はその子と駆けていきました。仲の良いクラスなのでみんなで遊ぶのだろうと思いました。

 私はその日6歳の誕生日を迎えた娘と黄昏(たそがれ)のデートを楽しみました。

 金魚すくいをやった娘は1匹しか捕れなかったので、いいところを見せようと思い私が挑戦しました。しかし1匹も捕れず、ポイに穴が開きました。不良品のポイを渡されたようです。

 その時、よく家に遊びに来る息子の友人たちが連れ立って遊んでいるのが見えました。しかしその中に息子の姿はありません。

 息子は別の場所にいました。先ほど呼びに来た女の子と親しそうに語り合いながら二人で歩いていました。あちこちの露店に顔を出し、楽しそうに散策しています。なんだ、ありゃ…?

 チュロスを売っている妻の所に行き聞いてみると、「あれはYちゃんだよ。4年生になってから付き合っているんだよ」と言われ、思わず笑ってしまいました。「まだ4年生なのに何を言っているんだ」と思いました。

 でも暑さが少しだけ和らいだ夕暮れの蝉しぐれの中、二人でかき氷を食べながら歩くシルエットは少し様になっていました。

 聞こえてくる盆踊りの祭り太鼓が「小さな恋のメロディ」に聴こえてきました。
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