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取材ノート 2716号(2017/10/23)
それぞれの泣きどころ

編集部 増田翔子
 先週号から鍼灸師・伊藤かよこさんの連載が始まりました。

 鍼灸では、体内のエネルギーが集中している「ツボ」に鍼(はり)を打ったり灸を据えたりします。

 そこから生まれたのか、「つい笑ってしまうポイント」を「笑いのツボ」といいます。「笑い」はもちろんですが、他の感情、たとえば「泣く」にもツボがあるのではないかと思います。

 どこで泣くかは人それぞれ。「泣きのツボ」にはその人の個性が現れそうな気がします。

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 私の「泣きのツボ」は「頑張っている姿」です。その人の頑張りを思うとつい感極まってしまいます。

 今年7月から日本テレビ系で『ウチの夫は仕事ができない』というドラマが放送されていました。

 全く成果を上げられず「お荷物社員」と呼ばれている夫は、そんな自分を妻に知られまいと必死に隠してきました。ところがある日気づかれてしまいます。

 そんな時大きなミスをしてしまい、「もう辞めよう」とも考えるのですが、夫は自分をさらけ出すことを決意し、妻に告白します。

 「僕は仕事ができません」と。

 失敗ばかりして妻の期待に応えられないことが悔しいはずなのに、ずっと言えなかった「情けない自分」を言葉にして伝えるなんて、どんなに無念でどんなに勇気がいることだっただろう…。

 その感情に思いを馳せたら切なくて切なくて、そして「よく頑張ったね」という気持ちが高まってしまったのです。

 小説や漫画でも、頑張る姿にいつも心打たれて泣いてしまいます。

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 「泣く」といえば、数年前から「涙活」という活動が行われています。思いっきり涙を流してストレスを発散するというものです。さらには「涙活」と「婚活」を合わせた「涙婚活」というイベントも開かれているそうです。

 男女が集まって感動する話を聞いたり映画を観たりして涙を流します。その後、どこで泣いたのかを発表し合い、お互いの「泣きのツボ」を確認するのです。

 「泣きのツボが同じだと価値観も合いやすい」ということで始まったこの活動ですが、実際に結婚した人たちもいるそうです。

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 「ここで泣いてしまう」「この場面で感極まってしまう」のは、言い換えれば、「その場面で相手の気持ちを思いやれる」ということだと思います。

 ですので「泣きのツボ」を知ることは、その人の「思いやりのツボ」を知ることにもなるのではないでしょうか。

 皆さんの「泣きのツボ」はどこにありますか? 面白い切り口からその人のことを深く知れそうです。
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