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取材ノート 2721号(2017/12/04)
おしゃれも幸せも足元から

編集部 野中千尋
 11月末に2つの講演会を取材しました。車で移動し、到着してからはずっときれいな室内にいましたが、それでも帰ってきてみると靴がだいぶ埃っぽくなっていることに気がつきました。

 そこで靴磨きスポンジを取り出したのですが、一度磨き始めたらやめられなくなってしまい、気がつくと履き慣れた靴が新品のように光っていました。

◎          ◎


 靴磨きといえば、虎ノ門にある「ホテル オークラ東京」の地下3階に、伝説の靴磨き職人のお店があります。

 お店の名前は「SHOE SHINE(シュー シャイン)」、店主の井上源太郎さんがその職人です。

 1日のお客さんは4~5人。それでも井上さんは「日本一忙しい靴磨き職人」といわれます。というのも、3畳ほどの小さな店内には全国、海外の常連さんから送られてきた靴がどんどん積み上がっていくのです。

 「もう16年井上さんにお願いしているけど、まだ1足も捨てていない」というお客さんがいるほど丁寧に手入れをする井上さん。仕事で使う10数種類の靴クリームは全て自分で調合しており、時には履く人のイメージに合わせて作ることも。

 また、靴に触れるだけで性格や健康状態まで分かるらしく、血糖値の高さを忠告して感謝されることもあるとか。

 その道40年以上、まさに職人芸と呼ぶにふさわしい腕前は、歴代の総理大臣や海外スターなど、数々の著名人たちも虜にしてきました。

 「どう磨いたらこんなに艶が出るの」と真剣な顔で井上さんに尋ねたのは、あのオードリー・ヘプバーン。マイケル・ジャクソンの靴を磨いた時は、部屋に届けにいった井上さんを本人が大喜びで出迎え、ハグしてくれたそうです。

 あるインタビュー記事の「靴がきれいになると、目の前のお客さんの顔がぱっと明るくなるでしょ。それが嬉しいよね」という言葉が印象的でした。

◎          ◎


 新しい靴を買う時、私はいつも母から「靴はいつも手入れしてピカピカにしておきなさいよ。いい靴はいい場所に連れていってくれるんだよ」と、耳にタコができるほど言われていました。

 母なりのジンクスかと思っていたのですが、実際にヨーロッパに同じことわざや認識があることを知りました。

 きれいな靴を履いていると、それだけでちょっと明るい気持ちになれますよね。そんな気持ちでいれば、自然と行動力も生まれてきます。

 その結果、出かけた先で素敵な人と知り合ったり、人生を変える出来事があったりするということなのでしょう。

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 師走に入り、「年末」の2文字が身近になってきました。素敵な新年に向かって走り出すべく、今年は靴をピカピカにすることから大掃除が始まりそうです。
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