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取材ノート 2753号(2018/08/13)
「みかんちゃん」はかんきつ家

編集部 野中千尋
 「私のことは『みかん』って呼んでください!」

 そう言ったのは、先日とある講座で知り合った広井亜香里さん(23)。

 名刺の肩書は、「柑橘好きのプロフェッショナル『かんきつ家』」。「そんな仕事があるの!?」とびっくりしたので、個人的に取材させていただきました。

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 「かんきつ家」としての広井さんのモットーは「本当においしい柑橘を伝え、広めること」。日本各地の柑橘農家さんを手伝う傍ら、愛媛県宇和島市を拠点にするNPO法人「柑橘ソムリエ愛媛」で、柑橘の専門家をつくる制度を整えるために東奔西走されています。

 そんな広井さんの出身地は、実は柑橘に縁もゆかりもない東京都。彼女の人生を変えたのは、たまたま訪れた香川県の小さなみかん畑で食べた、驚くほどおいしいみかんでした。

 しかし、そこの農家さんの話によると、流通の事情でそのみかんの半分はなんと廃棄されているとのこと。「東京だと、おいしいみかんを手に入れるのにすごく苦労するんです。なのに産地ではこんなに廃棄が…衝撃的でした」と広井さん。

 さらにその地域は、高齢化によってみかん産業自体がなくなってしまう寸前。「おいしさを知った私がみかんをPRしなくては!」と、使命感に燃えたそうです。

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 広井さんの「かんきつ愛」はすさまじいの一言。好きなものは柑橘の皮をむく音。自費で柑橘の魅力を綴った小冊子を発行するほか、年間で食べる柑橘はなんと100種類以上! 「飲み比べや食べ比べをすればほぼ百発百中で品種が分かる」と豪語するほどです。

 そんなかんきつ愛が高じて、ついに先月、広井さんは東京都で開催された「ご近所大学」で「みかん講座」の講師として演台に立ったといいます。

 「みかん、柑橘は手軽でおいしい果物ですが、『おいしい』だけでは捉えきれないんです。形を楽しみ、色にときめき、香りをまとう。五感でめいっぱい味わう。そんな『柑橘体験』をたくさんの人に経験してもらい、柑橘を文化として楽しむ土壌を育てていきたいです!」と広井さん。

 ここまで柑橘を愛している人にはついぞ会ったことがありません。「好き」という一念を貫く情熱に圧倒されました。

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 そんな広井さんのホームグラウンドといえる愛媛県宇和島市は、先日の西日本豪雨で大きな被害を受けました。広井さんが大好きなみかんを作っていた農家さんの畑や倉庫もかなり流されてしまったそうです。

 もし愛媛や宇和島産のみかんを見かけたら、ぜひ応援の気持ちを込めて手に取っていただけると嬉しいです。

(編集部/野中千尋)
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