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取材ノート 2764号(2018/11/05)
彼女の名前は「スプツニ子!」

編集部 鬼塚恵介
 7月に、東京の会場から講演がライブでネット配信される宮崎大学夕学(せきがく)講座を受講しました。

 3回参加した中で興味を引かれたのがスプツニ子!さん(33)の講演でした。

 世界最初の人工衛星「スプートニク(Sputnik)」から名を取ったという彼女は、アーティストであり、東京大学特任准教授でもあります。

 彼女は著書『はみだす力』(宝島社)の中で「いろんな人の毎日に異分子として入り込んで、日常をかきまわしたい!」と言っているように、作品はどれも奇抜な発想に基づいています。映像を創り、楽曲を創り、自身も出演するという「総合アート」です。

 その他にも、光るクラゲの遺伝子を組み込んだ蚕で制作した、輝くシルクのドレスはまさに「アートと科学の融合」といえます。

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 縦横無尽に活躍する彼女ですが、今年取り組んだものに『レッド・カーペット・ラブ!』という作品があります。

 これは、中東のシリア内戦で隣国ヨルダンに逃れてきた人たちの難民キャンプに造られた映画館の運営資金を募るプロジェクトです。

 彼女は「アートの力で解決できないか」「楽しく寄付したくなるには」と考え、出した答えは「映画のポーズで寄付をする」というものでした。赤色の入った映画のポーズ写真を撮って、それと一緒に寄付をします。写真はインスタグラムに投稿され、さらに8月15・16日に東京の代々木公園に敷かれるレッドカーペットに貼り付けられ、作品の一部になりました。

 彼女が撮ったポーズ写真をシリアの難民に見せたら大笑いしたそうです。映画は言葉の壁を越えることができます。

 9月にNHKの『はじっこ革命』という番組で、当日の様子が放送されました。

 A1サイズ(約54×84cm)のさまざまな映画のポーズ写真248枚が、レッドカーペットを100㍍に渡って埋め尽くし、157万円の寄付が集まりました。

 「アートの力で寄付を楽しくしたい!」という彼女のメッセージの通り、『レッド・カーペット・ラブ!』はそれを体現していました。

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 彼女は日本人とイギリス人のハーフで、生まれ育った日本での原体験から少数派に目を向けるようになったとのこと。ハーフとしてのつらい体験についても柔らかい表情で話す姿が印象に残りました。

 講演の最後で彼女は「未来って『今やってないことの連続』なんですよ」と言いました。そしてこう続けました。

 「今できるのにやってないことって何ですか?」。これが私の心に響きました。

 「『今できるのにやってないこと』って何だろう?」と時々考えますが、いつも目の前の仕事で手いっぱいになってしまうのでした.

(編集部/鬼塚恵介)
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