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取材ノート 2785号(2019/04/15)
君の春

編集部 野中千尋
 みやざき中央新聞に入社して5年目になりました。ようやく年下の後輩もでき、昨年とはまた違う思いで4月を迎えています。

 真新しいスーツで通勤している新社会人を見かけるたび、「私もあんな感じだったな」と5年前を懐かしく思い出します。

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 その作品を見つけたのは、何気なくSNS「ツイッター」を見ていた時でした。

 タイトルは『君の春』。巣立っていく息子さんを見送るお母さんの視点を描いた、7ページの短い漫画が投稿されていました。

 君の一人暮らしが決まった
 毎日一緒に晩ごはんを食べて 一つ屋根の下で眠るのがあたりまえだった


 そんな出だしで始まり、社会人になった息子さんへ語りかけるような言葉が綴られていきます。

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 ホントは若いころは 子どもなんてそんなに好きじゃないと思ってた

 でも君は 生まれてすぐそれをひっくり返して
 人生で一番大事な人になった

…失敗だらけの子育て でも君が大好きだった

 赤ん坊のころ よく君をおなかに乗せておひるねした

 カーテンがやわらかな光にゆれてキレイだった

 遠くにきこえるかすかな飛行機の音をききながら

 この瞬間をちゃんと憶えておこうと思った

 それは よく晴れた春の午後だったよ

 君は優しく育ってくれたね

 一人暮らしが決まってから さびしくてさびしくて…お風呂でこっそり泣いたよ

 だけど引っこしの日は 笑って別れた

 君がいなくなった子供部屋に 春の空気が流れ込んできて

 やわらかくカーテンがゆれていたのを見て

 お母さんは しばらく動けませんでした


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 お母さんが思い出すのは、苦労がありながらも楽しかった、様々な子育ての一コマ。そして、まだ小さかった時、お腹に乗せてお昼寝したあの日の風景。

 最後のページには歩いていく息子さんの後ろ姿と満開の桜が描かれ、こう締めくくられていました。

 これからの人生を どうか しあわせに

 春はもう 君のものです


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 今月7日に投稿されたこの漫画は、わずか1日で30万人以上から感動の「いいね」ボタンを押されました。

 作者は福岡県在住のにしむらアオさん(ペンネーム)。「この春、同じように息子が巣立ちました」「自分が実家を出た時の母を思い出しました」など、見送る側・見送られた側双方の感想も1000件以上添えられ、共感の輪はまだまだ広がっています。

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 私が一人暮らしを始めたのは大学1年生の時からでした。引越しの手伝いを終え、「やっと終わった~」と自宅に戻っていった母でしたが、もしかしたらあの「お母さん」と同じ心境だったのかもしれません。

 「次、いつ帰ろうかな」。そんなことを思った暖かな春の一日でした。

(編集部/野中千尋)

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