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転載・過去・未来 2740号(2018/05/07)
その72 考える大人になる~愛情も友情も「自分育て」の結晶~

元日本ガールスカウト連盟宮崎県支部長 野村芳江(故人)
 昭和48年に私は「ガールスカウト」を宮崎県につくりました。

 「自分の生活をどうするかという時代に、ハイカラな横文字の、お金持ちの子どもの相手をするような活動はできません」というような社会状況の中でした。

 ですから、「一度作ったけれどもすぐにつぶれる」ということがないように、法的団体(社団法人)にしようと思い、県内を走り回って苦労いたしました。

 ガールスカウトでは、万国共通の指針として『やくそくとおきて』を唱えます。

 「私は名誉にかけて、神(仏)に対するつとめを行い、地域と国と世界への責任を果たし、人に役立つことを心がけ、ガールスカウトのおきてを守ります」と宣誓します。この「名誉にかけて」というのが素晴らしいんですね。

 これは、森羅万象すべての生物の中で「人間に生まれさせていただいた名誉」ということです。人間は考えることができ、新しいものを創造でき、手が器用で発明もできる。また、言葉によって自分の思いや考えや文化を後世に残すことができる。そのすべてを含んだ「名誉」なのです。

 このことは、ガールスカウト以外の方にもぜひ肝に銘じておいてほしいと思う言葉です。

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 私たちは、たとえ子育て中であっても、ボランティア活動をしていても、必ず一日一回は「自分育て」をしなきゃいけません。

 それはいつするのかと言うと、夜眠る前です。今日一日あったことを思い出し、じっくり自分と向き合うのです。その時に自分が成長をするのです。

 私は先月手術をしたのですが、40年、50年来の友だちが駆けつけて立ち会ってくれました。病院を出た後も、お友だちが代わる代わる食事の差し入れをしてくれました。友情というのは本当にありがたいと思いました。

 こんなふうに長く続く友情も、「自分育て」の営みの中で育まれます。植物には枯れないように時々水を注ぎますが、友情も時に一緒にお食事をしたり、お手紙を出したり、そういう努力の結晶で育まれていくものなのです。

 子育て中のお母さんにも「自分育て」は必要です。お母さんの背中を子どもたちは見ています。そのすり込みで子どもは育つのです。

 真実を求める心を持ち、自分なりに生きる信条を持つことで、子どもは愛に目覚めます。

 お母さんがしっかり自分と向き合いながら、「自分育て」の時間を持っていれば、子どもたちはその姿を見ながらちゃんと育っていくものなんですね。

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 社会はこれから大きく変わることでしょう。でもどんな世の中になっても、物事の善悪の判断ができる子どもに育ててほしいと願っています。

 そのために、親子でいい話し合いの時間を持ち、いい講演を聴き、そして読書をしましょう。

 私の母は、「読書とは本を書くほどの偉い人と二人で向き合っていることだよ。分からない時はもう一回めくり直してみれば分かるよ。本を書くほどの立派な人が、おまえのペースに合わせて話をしてくれるのが読書だよ。だから読書を好む人になりなさい」とよく言っておりました。

 環境問題でも教育問題でも、今は一人ひとりが考えなきゃならない時代です。考える大人になりましょう。そうすれば、考える子どもが育ってまいります。

(2003年5月5日~19日号より)


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