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転載・過去・未来 2776号(2019/02/11)
その102 いのちのつながり~足元の根っこにとても大切なものがある~

薬膳茶房オーガニックごうだオーナー/薬剤師 郷田美紀子
 「安全な食」について考える時、揺るがない「根っこ」の部分から考えたいといつも思います。

 理想的な土は「山の腐葉土」といわれます。杉の山ではなく照葉樹林の雑木の山です。

 微生物を含む、いろんな生き物が死んで土に還ることで理想的な土になるのです。

 その土はミネラルのある元気な水を作り、そういう山を抱えた川や海には海草や小魚や貝がよく育ちます。

 「いのち」はすべてつながっているのです。

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 食に関するイベントに参加した時のこと。全国から集まった方々に申し上げました。

 「自然界には、すでに途絶えてしまったいのち、今危ういいのちがたくさんあります。人間の都合で環境が変わり、そのツケが今人間にも来ているのではないでしょうか。ですから、まず私たちの足元の環境を考えることから始めてみてはどうでしょう」と。

 田舎に住んでいると、自然がいろんなことを教えてくれます。

 「あなたの生きる意味は何?」と尋ねると、雑草がこう答えてくれました。

 「自分が枯れた後も、次の世代が芽吹いて生きていく。そのために今自分は頑張って根を張っている。次の時代のための環境づくりも私たちの大きな生きる意味よね」と。

 私も50歳を過ぎて思います。

 「私たちが育ってきたこの豊かな自然、いろんないのちがあることを学べるこの自然を守りたい。そして子どもの心を豊かに育てられるようにしたい」と。

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 私の子どもはオムツかぶれがひどかったんです。

 そこで、それまでの中性洗剤を止めて、私たち自身で作った石鹸でオムツを洗うようにしました。

 すると、かぶれなくなり、それ以来、私は石鹸だけを使うようになりました。

 そして、私の住む宮崎県綾町では、みんなで石鹸を作るようになりました。

 「中性洗剤を使わないのは、私たち川上に住む者の責任よね」と言いながら取り組んでいます。

 「洗剤を流せば、川下の人たちや川の中の魚が苦しむかもしれない」と思いを巡らせることは、ほかのいのちに対する謙虚さです。

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 かつて、日本が広く照葉樹林に覆われていた時代には、いろんな山や川に「神様」がいました。

 当時の人々は、「神様が宿るこの木は切らず、そのままにして道を作ろう」とか、「この沼には神様がいらっしゃる」と考えて、道のほうを曲げて作りました。

 人々は、その道を子どもたちと歩きながら、「ここはなぁ…」と神様と人間の関係を伝えたのです。

 ところが、時代とともに、人はだんだん「神様」やいのちが見えなくなりました。

 そして人間は、自分に都合のいいように木を切ったり、沼をなくしたりして、まっすぐな道を作るようになりました。

 それはきっと、「人間が一番偉いと思うようになった」ということだろうと思うのです。

 人間はもう一度、ほかのいのちに対する謙虚さを持つべきです。その上で、人間としてどうあるべきかを考えていただきたい。私はそう思っています。

(2002年12月2日号より)


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