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転載・過去・未来 2806号(2019/09/23)
その132 仕事と子育ての両立支援~「社会を変える会社を創ろう!」~

株式会社マザーネット代表取締役 上田理恵子
 私は30歳の時、2年間の不妊治療を経てようやく子どもを授かることができました。

 「公立の保育園にはなかなか入られへんよ」と知人から聞いていたので、出生届を出す時に一緒に保育園の申込みをしました。

 まず見学に行ったのは近所にある第1希望の保育園です。

 そこで「4月から入園希望です」と伝えると、「もう受付は終わっています。ここ豊中市では、仕事を続けたいなら4月から7月までに子どもを産まないと預けられないんですよ」と言われました。

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 でも何とか第8希望の保育園に入ることができました。

 「これからがんばるぞ」と保育園に子どもを預け、会社に復帰しました。

 ところが、出社して椅子に座った途端、保育園から電話があり、「熱が出ました。すぐに来てください」と言われました。

 子どもの急な発熱は、仕事をする上での大きな課題でした。

 ベビーシッターさんに電話をしても、「2日前までの予約が必要です」と断られました。

 当時の仕事は営業でした。お客様と約束した日に限って子どもはよく熱を出しました。

 どうしても仕事を休めない時は、座薬で一時的に子どもの熱を下げ、保育園に預けて仕事をして、座薬が切れて熱が上がってきた頃に迎えに行くということを仕方なくやっていました。「ほんと鬼のような母親やったなぁ」と思います。

 でも熱が39度ともなると、さすがにその非常手段も使えません。祖母にお願いしても、電話して来るまで1時間半かかります。

 悩んだ揚げ句、「祖母に営業先近くの喫茶店まで来てもらって子どもをみてもらい、仕事が終わったら私が子どもを連れて帰る」という苦肉の策で乗り切りました。

 営業先まで行くのに、大阪の御堂筋線の満員電車に乗って30分くらいかかります。

 席にも座れない子どもは、熱い頭をドアのガラスに押し当てて冷やしながら、「僕、死んでしまうかもしれん」と言っていました。

 「ごめんな、ほんまにごめん」と子どもに謝りました。

 「子どもを預かってくれる人がどうして近くにいないんだろう」と私は悲しくなりました。

 友だちはいます。でも同年代なのでみんな同じように子どもが小さいんです。病気がその子にうつる可能性もあります。

 そんなことを考えているうちに、「もしかしたら社会には『困っている人をサポートしたい』とか『子育てを終えて時間ができたので、今度は周囲の人たちのお役に立ちたい』と思っている人もいるかも?」と考えるようになりました。

 「そんなふうに、困っている人と役に立ちたい人たちを結び付け、どちらにも喜んでもらえる仕組みを創れたら」と思ったのです。

 そうして、「働くお母さんたちのための会社を」と考えて立ち上げたのが「マザーネット」でした。

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 マザーネットがやっているのは「まったく新しい仕事」ではありません。

 ベビーシッターや家事サービスなど今までの仕事とそう大きくは変わらないのですが、別々にやっていた仕事を組み合わせることで「新しいサービス」として確立させたのです。

 「いつか世の中変わるだろう」と待ち続けても変わりません。だから私は、「働くお母さんのための会社を創って、仕事と子育てとを両立できる社会に変えていこう」と私自身の考え方を変えたのです。

(2005年5月30日~6月20日号より)


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