The ひすいコラム 2589号(2015/02/16)
その1 幸せはなるものではなく気付くもの 幸せから始めてください
作家/天才コピーライター ひすいこたろう
どっちを見るか、それで人生は大きく変わります。一つ、例をあげましょう。1991年、青森県を巨大台風が襲い、木になっていたりんごがほとんど落ちてしまったことがありました。
もう、りんご農家は大打撃を受けて嘆き悲しんでいました。
しかし、悲しまなかった農家の方がいたんです。どうしてでしょうか?
みんな落ちたりんごを見て悲しんでいる中で、落ちなかったりんごを見て、「巨大台風でも落ちなかったりんご。これを受験生向けに売ったら喜ばれるぞ」と考えたんです。
アイデアが面白いということで、テレビでも取り上げられ、なんとりんごが1個1000円で飛ぶように売れたのです。それで、農家の方はその年、乗り切れたそうです。
りんごが落ちた事実に対して、悲しむこともできるし、逆に受験生を喜ばせながら自分たちをも助けることだってできるということです。
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これをまた違う角度から見てみましょう。私たちは、普段から「お金が足りない」「時間が足りない」「睡眠時間が足りない」「運動不足」などと思っていたりしますよね?
私たちはいつも「ない」ほうばかり見てしまっています。でも、だから「ない」んです。
「グローバルリッチリスト」というサイトで、自分の年収を入れると世界ランキングが出てきます。
「年収300万円」と入れるとどうなると思いますか? 世界トップレベルにランキング入りします。
時間だって増えています。たとえば江戸時代、電話なんてありませんから、話したい相手がいれば東京から京都間だと10日以上歩いて、会いに行かなければなりませんでした。
でも、今なら携帯電話に電話すればすぐにつながります。
「ある」と見るか、「ない」と見るかで、目の前の現実が大きく変わります。「ない」ほうばかりを見ていると、何を得ても、死ぬまで「ない」ほうばかりを見て生きる人生になります。
アニメのキャラクターのラーメンマンが言う通りです。「ないもの以外はすべてある!」
いつだって、あるものを見る。それだけで人生は豊かになっていきます。
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もう一つ、質問です。
これを失ったら、すごく悲しいと思うものを三つ思い浮かべてください。そしてそれを失ったところを想像してみてください。
どうでしょうか? でも、それをすでにもう皆さんは持っているんですよね? そう、大切なものをすでに手にしているんです。幸せは、なるものではなく気付くものなのです。
幸せになるんじゃなく幸せから始めてください。そして、幸せの状態から、もっと幸せになるためにはどうしたらいいかを考えるんです。
「今の状態がイヤだから、こうしたい」と思うのではなくて、「今、もう幸せだけど、こうなったらもっとワクワクする」という気持ちでやると不思議と夢も叶っていきます。
(昨年、神奈川県伊勢原市で行われた講演会より)