Love is the Movement! ~愛とは行動すること~ 2550号(2014/04/21)
その5 今やらなければいけないことは、 人間として、未来の子どもたちのために 最低限のことをするということです
環境活動家/ 1992年「伝説のスピーチ」をした セヴァン・カリス=スズキ
自分自身、不思議に思ったことがありました。父が環境運動家だったので、小さい時から、山積する問題ばかり聞いていたんですが、何で父はへこたれなかったんだろうということです。
それはたぶん母が、いつ、どんな問題がある時でも、「あなたにはやれることがある」と父を励まし続けていたからだと思います。
6歳の時、生物種がものすごい勢いで絶滅していると聞きました。動物が大好きだった私にとって、それは絶望的な話でした。
その時私は、最初の抵抗運動を始めました。妹と一緒に、近所に住んでいる3、4人の年下の子どもたちを連れて、小さな手押し車に、自分たちの持っているぬいぐるみを入れて、地域を周ってデモをやったんです。「動物を守れ」とプラカードを掲げて。
こういう行動をすることで、あるいは、行動させてくれた親のおかげで、私は絶望しないで何とかやってこれたのかなと今になって思います。
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私は、人生のほとんどの時間を使って、ねじれた社会を変えようと行動してきました。
しかし、そのプロセスで私が見てきたのは、いろんな不正、抑圧に対して戦ってきた人たちが、燃え尽き、疲れ果てていく姿でした。
旧約聖書のダビデとゴリアテの話をご存知でしょうか?
若きダビデが、巨人ゴリアテに戦いを挑んで勝利する話です。
しかし現代社会では、この巨大な仕組みに対して、個々の人々が戦いを挑み、その結果、疲れ果ててしまっています。
そうならないために、自分たちが暮らしたい社会、子どもたちのために残したいと思う未来はどんなものなのかというビジョンを、しっかりと作っていくことが大切だと思っています。
倫理のかけらもないような社会の仕組みに対して、戦うと同時に、自分自身が日々刻々、「これが大事だ」と思うことを大切にして生きていくことが、本当に大事なのです。
私たちに残されているのは、愛の力です。
自分の愛を基準にして、何が大事なのか、何が間違っているのか、何が正しいのかということを判断し、行動していく。それこそが、愛が行動であるということです。
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人類が生存していく基本である水・空気・土・食べ物を守れない、破壊する、汚染することによってお金を儲けている人がいる社会なんてあり得ません。
だから、変えるしかないんです。
もう話は十分聞いてきました。
みんなでつながって、何か始めましょう。
一方、動き出すと、必ずこう言う人がいます。
「日本人は大きく現状を変えたがらないんだ。それが日本の特徴なんだ」と。
そんなことはどうでもいいんです。私たちが今やらなければいけないことは、人間として、未来の子どもたちのために最低限のことをするということです。
社会を根本から変えたい、変えようということを志している人たちが、各地で、本当にいろんな活動しています。そういう人たちは、実際に自分の身の回りから、社会を変えつつあります。
「それは難しい」とか「できない」という人たちに縛られることなく、自由に羽ばたきましょう。
(福岡市で開催された講演会より/終わり)