心と体の声を聞く魔法の質問 2535号(2013/12/16)
その4 「シャンパンタワーの法則」まずは、人のためではなく自分を満たすことが必要
質問家 マツダミヒロ
「シャンパンタワーの法則」というものがあります。
シャンパンタワーとは、シャンパングラスをピラミッド状に積み重ねて、上からシャンパンを注ぐセレモニーです。結婚式などで、たまに行われたりします。
そのシャンパンタワーの1番上を自分自身、2段目を身近な人や家族、3段目を友だちや一緒に働いている仲間、4段目をお客様と見立てます。そして、自分はどこからシャンパン、つまりエネルギーを注いでいるかを考えるんです。
4段目のお客様から、という方もいるかもしれません。
ビジネスでは、「顧客満足度」という言葉があります。いかにお客様に満足してもらうかです。これももちろん重要なんですけど、4段目のお客様だけに焦点を当てると、自分が休みの日でもお客様のために何とかしてあげようと思って、自分や家族を犠牲にしてしまいます。そうすると、4段目は満たされるんですが、全体を見るとほとんどが空の状態です。
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会社によっては「顧客満足度も大事だけど、そこに働いている人たちがイキイキしていたほうがいい」という会社もあります。そうすると、3段目が溢れて、4段目もいっぱいになるので、さっきよりはいっぱいになるんですが、まだ全体は満たされません。
小学校、中学校に行って、お母さんに質問をさせていただくこともあります。お母さんは2段目から、つまり「家族のため、子どものため、旦那のために時間と労力を使っている」という方が多いです。
そうすると、2段目が溢れ、3段目と4段目もいっぱいになって、だいぶいっぱいになるんですが、まだ全体が満たされることにはなりません。全体を完成させるためには、一番上のグラス、つまり、自分自身を満たさなくてはいけないんです。自分自身を満たしていって、そのあふれ出たエネルギーで2段目を満たし、3段目、4段目と満たしていくと、全体を満たすことに繋がっていくんです。
まずは、人のためではなく、自分を満たすことが必要です。これが、「シャンパンタワーの法則」です。
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先日、看護師さんの研修会でこの法則の話をしたら、一人の看護師さんが「すごくよく分かります」と言って、こんなお話をしました。
「まさに自分がカラカラの状態のときに、患者さんから言われたんです。『あんたのほうこそ入院したら? そんなにつらそうに看護されても嬉しくないんだよ』って」
つまり、何をするかが重要なのではなくて、どんな状態でするかがすごく重要なんですね。
一生懸命頑張っていても、自分が満たされていないと相手はあまり嬉しくないんです。このことを知ってください。
これは別に病院だけで起こることではありません。ご家庭の中で起こる場合もあります。
まずは、自分を満たすことがすごく大事なのです。ですから、ぜひ、次の質問の答えを考えてください。
「あなたの心のグラスをさらに満たすために、できることは何ですか?」
「これをすると癒される」「これをするとイキイキする」ということを考えて、ぜひそれを、自分のためにやってみてください。
今日できることや、週に3、4回はできることなど、ちょっとしたこともぜひ考えてください。
そうすると、それを実践することで日々ちょっとずつ満たされていくようになります。
大きく満たされることと、小さく満たされること、両方を準備しておくといいと思います。
(福岡にてNPO法人「代替医療推進協会」が主催したセミナーより~元旦号に続く)