水谷もりひとブログ

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【今朝の朝礼】「なぜあんなにいい社説が書けるんですか?」

毎週、金曜日の朝礼が、僕の担当です。今日も朝4時に起きてその原稿を書いています。
起きてしばらく、ボーっとしていました。「何を話そうかなぁ」って全然思いつきませんでした。でも、「何を話そうかなぁ」と考えいたら、脳がじわじわと動き始めました。
かならず見つかるから不思議です。今日は、昨日の「ミニミニ読者会」のことを話します。


昨日、ミニミニ読者会がありました。参加者は12名でした。
30分の僕の講話の後、お弁当を食べながら交流会をするのですが、
交流会の後半で、前原さんという男性が、社説に感心していると話され、「たくさん引き出しをもっているんですね」「どうしたらあんな情報を集めるんですか」「見事にあの字数にいつも収めていてすごいです」と、おっしゃっておりました。

前原さんは、「水源の森づくりをすすめる市民の会」の事務局長をされていて、そこで会報を年4回発行されているので、人に読んでもらえる文章を書くことの難しさを実感されています。だから、人が書いた文章を読むときも、書く側からの視点で読まれているのだと思います。

僕も実は、自分でいい社説が書けたときはとても満足します。
2年ほど前からそういう社説が続いています。

2年前に「魂の編集長」という肩書きを敢えてつけました。
本当はこんな肩書きはおこがましいのですが、敢えてつけることで、「魂の編集長」に向かっていると感じます。もちろんまだまだですが。

実は、大変なことを僕は知ってしまいました。
これを知っているのと知らないのと、人生が大きく違います。
それは、人間は意識すると、その意識する方向に向かい始めるということです。

では、なんであんな社説が書けるのか、その秘訣をお話します。

その①、もう20年以上やっているからです。
たとえば、大工さんでも、中学卒業して棟梁に弟子入りしたとき、下手くそだったはずです。でも20年もやっているとどんな不器用な人でも人並み以上の腕のいい大工になっていると思います。

世の中で職人と呼ばれている人は全員そうです。最初は見習いで、商品になるようなものが作れたかというと、絶対そうじゃないと思います。師匠から「こんなんダメや」と言われていたはずです。
でも、20年以上やっていると、見事な腕前の職人になっているはずなんです。

僕も昔は今読み返しても恥ずかしい文章を書いていました。だから部数も増えなかったし、見本紙を受け取った人の3分の2は有料購読になりませんでした。
昔、社長が飛び込み営業をやっていたとき、見本紙を受け取ってくれた人が読者になってくれる確率は3人に1人という話がありますが、読者になってくれた人は、間違いなく新聞に感動したからではなく、社長の人柄が気に入ったからですよ。こんなキャラの人は宮崎にいなかったですから。多くの人は彼女に感動して、みやちゅうを付き合いで取っていたのです。
で、人間を見る目がなかった人が新聞だけを見て、「要らない」と言ったのです。
皆さんも、何か商品を薦められたときは、商品そのものではなく、その人を見て決めたらいいと思います。

というわけで、どんな未熟な人間でも一つのことを20年もやっていると、人並み以上になります。あれもこれもとやるより、一つのことをやり続けるとプロになります。

その② 「いい新聞ですね」といわれることを意識してみやちゅうを発行しているからです。僕も「いい社説ですね」と言われることを意識して書いています。

先ほど言ったように、意識すると、意識する方向に人は向かいます。だから「いい新聞ですね」「いい社説ですね」と言われるような情報を探しています、日々。

本を読んだり、映画を観たり、講演を聴いたり、人の話を聞いたりしたとき、感動したこと、心が動いたことは必ず脳の引き出しに入れます。「いつか使おう」と思うのです。

いつか出すことを前提に入れるのです。
アウトプットすることを前提にインプットをするのです。
たとえば、学級通信を毎日出している先生は、いつも生徒の心に響くことを書こうとしています。だからみやちゅうを読んでいる先生は、学級通信に使えそうなネタを探しているんです。意識しているからそのネタが見つかるんです。

僕も四六時中、社説のネタを探しています。
普通、朝から晩まで職場にいる嫌な人のことで悩んでいるとストレスになりますよね。
嫁姑の葛藤があったりして、いつも嫁の欠点ばかり目に付くような生活をしていると不平不満・愚痴ばかりの生活になりますよね。

僕の場合、四六時中、楽しい情報、心が感動する情報ばかり探しているので、日々楽しいです。
いい情報をいつも探していると、そういう情報しか集まってきません。
いい話、いい言葉はそれを捜している人しか見つけられないのです。

その③ 僕はもともと本を読む人間ではありませんでした。学生時代の6年間、読んだ本はたぶん5冊以下だと思います。映画は数え切れないほど観ましたけどね。

今本を読むのは、仕事だからです。社説を書かなければならないからです。
ラジオのいろんな教養番組を録音して聞いてるのも社説を書かなければならないからです。面白そうな講演会に出掛けるのもネタを探しているんで。

でも、実際に社説のネタになるのはそのうちの1割くらいです。あとの9割は社説のネタとして使っていません。ではそれらは無駄になっているかというと、決して無駄になっていません。
右脳を使うということに役立っています。

たとえば、子供の頃、クラスに成績のいい子っていたじゃないですか。国語も得意だし、数学も物理も生物も英語も地理も歴史も、全教科、いい点数を取っていた子っていましたよね。
将来、文系に進むんだから理系はできなくていいのい、物理や生物の点数もいいんです。つまり頭のいい子って、脳の使い方が上手だったのです。

だから、本を10冊買って、そのうち、社説のネタになるのは1冊だけだった。あとの9冊は無駄遣いだったかというと、そうじゃなくて、あとの9冊は脳を柔軟にするために役立っていたのです。

僕にとって、感動することに出会うことは仕事です。だからいつも心を動かしているのです。だから旅先で強力な磁石を見つけたとき、心が動いて、何の役にも立たないのに、買っちゃった。そういう一見無駄遣いしているように見えるものが、我が家にはたくさんあります。お腹に巻いてスイッチを入れるとブルブル震えて、お腹の贅肉が減る胴巻きとか。すべて心が動いたものばかりです。
しもやんの手帳もそうです。

そんなことをやっている中で、その中の一つが人生を大きく変えるたりするんです。
大阪でやっていた「しもやんワンデー」にわざわざ飛行機に乗って行ったのも、その中の一つです。これが大当たりの宝くじでした。
これに出会えたのも、たくさん参加したセミナーの中の一つだったということです。

その④は「好き」という感情です。

「編集長は社説を書いているからいつも感動するものを探してていいですね。私は事務です」と思った人もいるかもしれません。

でも、考え方としては演劇と一緒ですよ。
主役で目立っている人もいれば、脇役で頑張っている人もいれば、セリフはないけどその役を一生懸命やっている人もいます。それから裏方もいます。みんな同じ劇団の仲間だし、みんな自分の役割にわくわくしています。裏方の小道具係りは、小道具をそろえることにわくわくしているんです。

そこにあるのは、その仕事が好きという感情です。仕事が好き、この会社が好き、自分たちが作っている商品が好き。
好きという感情にはものすごいプラスのエネルギーがあります。逆に、嫌いという感情にも大きなマイナスエネルギーがあります。だからいつも不平不満・愚痴で満ち溢れています。
好きというプラスのエネルギーを持っていると、同じ仕事をしていても、お客さんからほめられたり、「いい仕事してるね」と言われたり、努力しているのに努力が苦ではなくなります。

その⑤は、朝の時間を使っているということです。3年前に倫理法人会に出会ったことで、早起きをするようになりました。以前は朝5時というと、「無理無理」と思っていましたが、朝早く起きて社説を書いていると、今まで考えもしなかったことがふっと降りてくるんです。これは100%間違いなく降りてきます。日中、書けなくて1日苦しんでいても、次の日の朝、一気に書けるんです。だから日中、行き詰ったらもう諦めて、「明日の朝、書こう」と思います。

朝、早く起きると昼間眠くなります。仕事しながらウトウトして、机で寝てしまうのはとても気まずいですよね。でも、そこで10分寝てしまうことで、その後、仕事が乗るってことがありますよね。30分以上寝るともうボーっとしますけど、ウトウトしながら10分くらい寝てしまうのは、逆に仕事の能率が上がります。みなさん、そういう人がいたら大きな気持ちで見守ってあげましょう。20分を超えるようだったら、優しく起してあげましょう。

以上です。