水谷もりひとブログ

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電話というアナログな伝達手段

わが家に電話機が設置されたのは1976年、高校2年の頃でした。
世間的にはかなり遅かった気がします。
友達に「うちには電話がない」と言うと、
「どこに住んでんの?」と言われていました。

たぶん両親が電話がなくても全然不便を感じてなかったからだと思います。
実際、電話機がやってきても、
親が電話で誰かと話しているところを見たことがなかったです。
そういうこともあってわが家では電話は身近な家電ではありませんでした。

だから、僕は未だに電話が好きじゃないんです。
自分から掛ける習慣がまずありません。
電話を掛けるとまず「すみません」と謝らなければならないでしょ。
だって、相手はその時、何かをしていたわけで、
僕が電話を掛けるということは、その人の時間に割り込むことになるわけですから。
そして次に「今いいですか?」と許可を求めなければなりません。

そういうわけですから、緊急の時じゃないと僕は電話を掛けないんです。
ただ、掛かってくる電話は、相手からすると緊急かもしれないので、出ます。
でも、多くの場合、「それってメールでいいじゃない」と思えるものです。
メールだと自分の時間が空いた時に開いて見れるし、
考えながら返事ができるからいいのです。

電話で「明日時間ある?」と言われると、
スケジュール表をスマホを開けて確認しないといけないので
瞬時に「ある」とか「ない」とか言えないでしょ。

それにもっと大事ことは、電話で大事な要件を言われると、
その時、紙とペンがあればいいけど、そうじゃない時、
それは記憶に任せることになりますよね。
でも、多くの場合、記憶は時間と共に薄れてしまうんです。

この前、保険関係の手続き不備の電話が掛かってきました。
「わかりました」と言って電話を切ったのですが、
それを保険関係の手続きをやっているのは妻に伝えるのをすっかり忘れていました。
その結果、かなり面倒なことになり、妻を怒らせてしまいました。

電話って相手が何をしているのかお構いなしに割り込んでくるじゃないですか。
こっちは社説を悪戦苦闘で書いている時だったので、
脳みそがそのとき、全く余裕のない状況でした。
だから「妻に伝えなきゃ」と思いつつ、記憶の彼方に消えてきました。

もし、それがメールで来ていたら、
僕は受け取った瞬間、妻に転送していたと思います。
仕事でもそうです。
仕事関係のメールが僕宛に来ても、
それを処理できるスタッフにすぐ転送します。
僕が出張中でもそれができます。
電話だと、すぐにそのことを伝えられないことのほうが多いです。

そういうわけで、「そんな大事なことは電話で伝えないでください」と
あの保険会社の人に言いたいのです。
電脳社会ですからね。