挫折したこと。
短大の非常勤講師を8年ほどやりました。実はみやざき中央新聞で取材をしていく中で、大学の先生の話を聞くことが多く、いつしか自分も大学で教えてみたいと思うようになっていました。
大学で教職課程を履修していない僕は、小・中・高校の教壇に立つことはできませんが、大学は論文を書いていたり、しかるべきところで長年働いていると、その社会的実績が評価されて大学の先生になることができます。本を2,3冊出してれば、それが論文として評価されることもあります。
ですから、いつか大学の先生になりたいなぁと漠然と思っていたのです。
そんなある日、宮崎学園短大の学長がうちの会社にやってきて、非常勤講師になってほしいと言われたのです。夢のようでした。
講義は『実践ビジネス論』というカリキュラムで、対象は1年生。
結果的にどうだったかというと、打ち砕かれました。
学生に教えるということは、そんなに甘い世界ではありませんでした。
伝えたいことをたくさん持っているということ、教えるということは全然違うのです。
今振り返ると、しどろもどろの講義をしていました。
ま、それなりに学生とは仲良くなりました。
教え子の結婚式には2回ほど招待されました。
そのいずれも短大の先生は僕一人でした。
卒業後、教え子から心に残っている先生になれたということは教師冥利に尽きます。
そういう意味では、ちょっとした自負心を持っていたのです。
でも、そんなことより、やはり先生と呼ばれる以上はちゃんとした講義をしなければなりません。
講演はそれなりに自信はあるのですが、大学の講義は講演ではありません。
「知」を伝えなければならないのです。
なんといっても大学は「知」の最高学府なのです。
昨日、同じ学校法人宮崎学園が経営する宮崎国際大学の先生とお話する機会があり、
やっぱりその先生と話しながら、大学生の先生ってこういう知性がほとばしる人なんだなぁと思いました。
自分は大学の先生にはなれませんでした。
いいんです。編集長として、残りの人生を生きます。
今、小倉に向かう高速バスの中で書いています。
2時間後、小倉で講演です。
では、時間が来たので、今日はここまで。