薬さん、ありがとう!
僕の心の師匠であるSachiko Kamimitsu先生が先日、来日され、2年ぶりにお会いしました。毎回、お会いする度に貴重な教えをいただきます。ある女性が先生にこんなことを質問しました。
「私は精神的な病気になって20年間、ずっと睡眠薬と精神安定剤を服用しています。これがないと眠れないのです。でもこんなに長く薬に依存しているのはよくないと思っています。薬をやめたいのにやめられない。いつまで飲み続けたらいいのでしょうか?」
今、『人間は薬で病気になる』みたいな、薬を批判する本がたくさん出ています。
僕も人間は薬に頼らず、自然治癒力をもっとつけるべきだと思っていました。
なので、先生の言葉は意外なものでした。
「あなたは薬のおかげで普通の生活が送れるんでしょ。薬がなかったら夜は寝れないし、苦しいんでしょ。だったらまず薬に感謝するべきじゃないですか。『薬は良くない者』と思って薬を飲んでいると、その薬はあなたの体の中に入ってもいい働きをしてくれませんよ。あなたの意識があなたの体をつくっているのですから」
「薬を飲むことであなたは普通の生活を送れるんですよね。つまり薬はあなたの命の恩人じゃないですか。薬に『ありがとう』と言って飲んだらどうでしょうか」
「あなたはあなたです。健康だったあなたは健康に戻りたいと思っているかもしれませんが、それは病気である今のあなたをあなたは自分で否定しています。病気のあなたも『あなた』なのですから、病気である自分を受け入れ、愛してあげましょう」
「薬を否定するのではなく感謝しましょう。本当に感謝して飲むとその薬はあなたの体の中に入っても悪さをしません。すなわち副作用を起こしませんよ」
この答えに、僕はうなりました。
薬だって、人間に悪さをしようと思って生まれてきたわけではなく、病気の人の症状を少しでも和らげようという働きをしたいと思って生まれてきたはずです。
健康な体はまず「健康な心(氣)から」といいます。
それは何物も恨まず、憎まず、悪口を言わず、「自分は正しくてあれは間違っている」なんて言わず思わず、どんなことにも感謝すること、これが「健康は心から」という言葉の意味ではないかと思いました。
そういう心になったら、いつの間にか薬のお役目も終わって、健康な体になっているのではないかと思います。
Kamimitsu先生の考え方が正しいというのではありません。こんな視点から考えると、見方が変わってくると言いたい12月27日の朝でした。