水谷もりひとブログ

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2020年、一番響いた言葉

2020年に聞いた講演会の中で一番心に響いた言葉がある。

それは「お前は何様だ!」

北海道の村上智一という芸人の講演だった。
芸名は「マグロともかず」
寿司のマグロのコスプレを着て講演をしている。
芸人といってもお笑い芸人ではなく、
彼は人々の心に火をつけるスーパーモチベーションプロデューサー。

彼のお父さんはギャンブル依存症で、
借金をつくってはお母さんに苦労をかけていた。
そんな父親をマグロさんは大嫌いだった。

マグロさんが大学生のとき、
お母さんから電話があり、
「父さんがまたやったよ」と言う。

マグロさんは「母さん、もういいよ。もう別れなよ」とアドバイス。

そして両親は離婚した。
それ以降、父親とは音信不通になった。

マグロさんは40を過ぎた頃、起業したが、なかなかうまくいかない。
倫理法人会という経営者の心の勉強会に出会って、
「生き方」「あり方」の勉強をした。

「親に孝行しなさいというのは、親が偉いからでも、強いからでもない。
たった一人の私の命も根本(もと)であるからだ」
「物事がうまくいかないのは、本(もと)を忘れているからだ」
なんてことを学び、衝撃を受ける。

彼は父親のことを思いだした。
いろいろ手を尽くして、父親の居場所をつきとめ、会いに行った。
20年ぶりに再会した。

それから少しずつ交流が始まった。
ある日、父親が言った。
「母乳の出が悪く、お前はミルクで育った。
父さんも夜中に起きて何度かミルクを作ったんだ」

それを聞いてマグロさんは大粒の涙をこぼした。

ずっと父親を恨んでいた。
大嫌いだった。
「そんな俺って一体何様なんだ」と自分に向けて叫んだ。

自分が大きくなった背景にはたくさんの人の手助けがあった。
お父さんもその一人だった。

彼は自分に叫んだのだ。
「お前は何様だぁ!」