【朝礼】会社が好転するために
組織やチーム、団体、すなわち複数の人が、ある目的のもとに集まっている集団には、かならず中心になる人がいます。責任者です。そして、組織やチーム、団体がその目的に向かっていくときに、多少なりともトラブルやピンチ、いろんな困難にぶつかるときがありますよね。その時に、結果的にいい方向に好転するか、しないのポイントは、メンバーが中心者といかに心が一つになっているか。この一体感にあるといわれています。
わかりやすいのは、プロ野球やプロサッカーのチームには、技術的にも実力的も優秀な選手が集められているわけですが、しかし、どんなに優秀であっても、監督と一体感がなければ、ピンチのとき、困難なときに、そのチームがいい結果を出すことはありません。
「俺は俺のプレイをする」というわけでにはいかないのです。
会社の場合は社長です。社長との一体感をどうつくっていくか、これは簡単ではありません。特に近い関係になればなるほど葛藤が出てきます。お互いが未熟者同士だからです。
会社の外には、人格的にも実力的にも資質の面でも素晴らしい人がたくさんいるし、セミナーなどに参加すると、そういう人と出会うこともあります。
そうすると余計自分の会社の上司や社長と比較するので、尊敬できない上司と心を一つにすることができなくなるんです。
「できなくていいじゃないか、同僚とはみんな仲良くやっているし、与えられた仕事さえミスなくきちんとやっていれば、それでいいじゃないか」という考え方もあります。
しかし、チームを作っている以上、それだちチーム全体がいい方向に向かっていけないのです。
特に、問題が起きたとき、トラブルや大きなミスが起きたときに、そのことが表面に出てきます。逆に言うと、そのことを気づかせるために社内で問題が起こることもありま
す。
僕が社長と心を一つにしていこうと自覚したのはそんなに昔のことではありません。ほんの3、4年前です。
今、読者会で社長と2人で全国を回っていますが、一緒に行動するようになったのはわずか3年ほど前からです。それまでは僕も社長の間にいろんな葛藤がありました。
「ついていけない」と思うこともありました。不満もありました。
しかし、3年前か、4年前にか、「致知出版社」の社長の藤尾さんの講演を聞いて、本当に反省させられました。
藤尾さんはずっと日本の企業のトップを取材してきた人です。
発展している会社や、うまくいっている会社を取材して、それらの会社に共通しているのはNO.1とNO.2が一つになっている会社だと言われていました。
「NO.1とNO.2の関係がうまくいっていない会社で、発展している会社を見たことがない」と。
これには白旗を上げました。自分の個人的な、つまらない葛藤で、会社全体の運気を下げていると考えたら、もうそれは反省するしかないわけです。
23年のみやざき中央新聞の歴史の中で、会社が急成長したのはわずか4年前からです。
それまで19年間、いい新聞を作っていたのですが、発行部数は2000部程度で、増えてはいましたが、ずっと微増でした。3部増えて2部減るみたいな感じです。
新聞の内容は今とそんな変わっていません。問題は運気がなかったんです。
どうしたら社長と一つになれるか。
感情的の問題もありますから簡単ではありません。
「社長と一つになってください」と言われても、人間の気持ちはどんなにすぐになれるものではありません。
昨年、魔法の質問家、松田ミヒロさんの記事を掲載しました。
これはいい話でした。
「どうしたら一つになれるんだろう?」とプラスの質問を自分にするんです。
「なんで社長はこうなんだろう?」とマイナスの質問をするとマイナスの答えが出てきます。
しかし、「どうしたら会社はもっとよくなるんだろう」とプラスの質問をするとプラスの答えが出てくるんです。
たかが10人の小さな会社ですが、それでも責任者というのはものすごいリスクとプレッシャーを毎日抱えています。人間の器が小さいから仕方がないのですが・・・
この社長を支えるという気持ちを持つだけでも一体感を感じます。
社長の悩みを聞くだけでも一体感を感じます。
聞くだけでいいんです。下手にアドバイスしても社長は聞きませんから。
どうか、プラスの質問をしましょう。
「なんで?」ではなく「どうしたら?」です。
2014年5月16日 朝礼にて