【朝礼】国を愛する心とナショナリズム
今日1月6日、一人の読者から購読中止の連絡が来ました。お正月号に掲載した有村治子さんの領土問題に関する記事と、中村文昭さんの台湾に関する記事が偏狭的なナショナリズムであるというのです。
編集部でも、政治的イデオロギーの強い講演や特定の宗教の講演は掲載しないようにしています。やっぱり、みやざき中央新聞も公共のメディアとして情報を発信したいからです。
しかし、政治や宗教そのものが問題とは思いません。
政治は私たちの生活に密着した問題ですし、宗教は日本人の精神文化を支えているものです。
ただ、政治や宗教にイデオロギーが入り込んでくると、「偏り」が出てきます。
賛同する人と毛嫌いする人に分かれます。
イデオロギーとは、自分たちの主義主張、思想を絶対正しいと信じ込み、それを普及させることを目的としていることを言います。また自分たちの考えと合わない主義主張や思想を批判したり、攻撃したりするという特徴があります。
有村治子さんの領土問題に関する記事と、中村文昭さんの台湾に関する記事は、何回読んでもイデオロギー色を感じません。だから掲載しました。
ここで、愛国心とナショナリズムをはっきり明確に区別しておかないとこれが分からなくなります。
多くの人が、愛国心と右翼とナショナリズムを同一のものと思っているからです。
愛国心とは自分の国を愛する気持ちです。家族を愛し、郷土を愛し、会社を愛する、その延長上にあるものです。
純粋に愛する気持ちです。
家族や故郷を愛する気持ちを持つのは当然だし、だからといって隣の家や隣の県を批判することはありません。
それに対して、ナショナリズムとは、国粋主義と訳されたりしますが、ここにはイデオロギーが入り込んでいるので、自分の国を愛するといいながら、自国さえよければいいという考えがあります。だから他国を批判したり誹謗したりします。
自分の主義主張と相容れない思想は受け入れないのは当然ですが、相容れない人を攻撃したり、批判を始めるのです。
戦争の火種はこのナショナリズムにあります。
私は、領土問題を教育の現場で教えることは重要だと思います。
純粋に竹島や尖閣は日本固有の領土だと知らせることは大事ですよね。
ただ、領土を主張するあまり、他国を批判し始めるとナショナリズムになっていきます。
歴史教育もそうだと思います。
歴史教育をすることで、特定の国が大嫌いになるような教育をすることはイデオロギーが入り込んでいます。
つまり、その国を攻撃、批判することが目的になっているのです。
さて、世の中には、自分の主義主張と合わないからといって、相手を攻撃したり、非難したり、自分が正しくて相手が間違っていると決めつけたりする人がいますが、そういう人はそういう人生を歩んでいけばいいと思います。
でどんな商売でもそういう人がお客さんでい続けると、仕事をするのがキツくなりますよね。お客のクレーム処理で明け暮れいたら苦しくなります。
私たちは、共感の輪を広げたいという思いでみやざき中央新聞を発行していますので、全国各地の読者会では、共感したい人たちが集まってきます。
そういう共感のある人間関係を世界中につくっていくのがみやざき中央新聞の役割だと思っています。
ただ、クレームはダメというわけではありません。
こちらに落ち度があることを指摘してくれるクレームには、真摯に受け止めていきます。そういうことを言ってくれる人とは、そのクレームをきっかけにより深く繋がりたいと思っています。