水谷もりひとブログ

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潜在意識その①

潜在意識という概念は、ここ10年くらいで随分世の名に広まりましたね。

潜在意識って、自分の中にいる「もう一人の自分」ともいわれています。
普段は、自分の考えていることと、「もう一人の自分」が考えていることが対立していることが多いようです。

たとえば、「健康のためにもっと痩せよう」と思って、ジョギングやウォーキングを始めたり、糖質制限をしたりしますよね。
そのことが健康にいいし、減量にもなると頭では分かっています。
しかし、続かない。なぜか。

昔は「三日坊主」などと言って、続かない人を揶揄していましたが、むしろ続かないことが当たり前だで、そういうもんだとみんな思っています。
しかし、潜在意識のことが分かって、その「三日坊主」のメカニズムが解明されてきました。

つまり、「もう一人の自分」が足を引っ張っていたのです。
そういう言い方をすると、「もう一人の自分」、すなわち潜在意識は「自分」の敵みたいに思えてきますが、実はそうではありません。

潜在意識は「私」という「ご主人様」を守ろうとして、今の状態を維持しようとしていただけなのです。

身体にたとえると、自律神経は自分の意志とは関係なく、この身体を守ろうとして体温を37度に維持しようとしたり、毎日同じ心拍数で心臓を動かしています。
病気になって健康な状態が損なわれると、自律神経が働き、何とかもとの状態にもどそうとします。
すなわち、自然治癒力が働き始めるのです。

潜在意識もそれと同じです。
今の現状が一番いい状態だと認識して、その状態を保とうとします。
だから変化が起きると、それを抑制しようとするのです。

潜在意識にはある特徴があります。
たとえば、時間の概念がありません。
過去や未来という概念がないんです。
大事なのはいつだって「今この瞬間」です。
だから「今この瞬間」の状態を維持しようとするんです。
この状態を守ろうと働くのです。
だから、「痩せよう」と思って、いきなり慣れない運動や食事制限をしようとすると、その変化を許さないのです。
「今この瞬間」の、太っている状態を維持しようとするから、続かないのです。

お金持ちになりたいと思っていても、貧乏という今の状態を「もう一人の自分」、すなわち潜在意識が維持しようとするから、貧乏癖が直らないのです。

英語が話せるようになりたいと思って、NHKのテレビ講座のテキストを買ってきても、3日と続かないのは、英語ができない今の状態を潜在意識が維持しようとするのです。

もし本気で変わろうと思ったら、まず潜在意識、すなわち「もう一人の自分」に気付かれないように、小さく、ゆっくりと、静かに始めることがコツです。
薄い紙を一枚一枚重ねる感じです。

人間の成長がまさにそれなんです。
子どもは、昨日と今日ではほとんど変化がありませんが、細胞レベルでは確実に成長しています。しかしその変化が目に見えないほど小さい変化なので、潜在意識は気が付かないのです。
だから日に日に成長し続けられるのです。

何か新しいことを始めようと思ったら、潜在意識、「もう一人の自分」に気付かれないように最初はそっと始めましょう。
ジョギングをいきなり早朝1時間とかせずに、初日は100メートルくらいにしておきましょう。
これをちょっとずつ伸ばしていけば、やがて、ジョギングすることが「いつもの自分」になり、その状態を「もう一人の自分」は維持しようとします。
そうなると、「ジョギングしないと一日が始まらない」という気持ちになるんです。

タバコをやめたい人は、いきなりやめるのではなく、1日1本ずつ減らしていく。
タバコを吸う時間のインターバルを1時間から、1時間半、2時間、2時間、3時間と徐々に長くしていき、そのうち気が付いたら1日1本になり、やがて吸わなくても平気になるでしょう。

朝の早起きが苦手な人は1週間に1日だけでいいから早起きしなければならない状態をつくりましょう。
僕の場合、倫理法人会のモーニングセミナーに行く水曜日だけ早起きしていました。
やがて早起きすると気持ちがよくなり、だんだん習慣化し、今では朝4時に起きてしまいます。身体がそういうリズムになってしまったのです。

潜在意識のことを学んでいくと、もっと面白いことがあるので、また書きますね。