争わない生き方
心を揺るがした1000の言葉」その5 弁護士 西中務さん。
世の中にはいろいろなトラブルが生じます。
それを公平・平等に解決するために生まれたのが法律です。
そしてその仕事に従事している人が弁護士や警察や裁判官です。
弁護士の西中さんのところには毎日たくさんの人が相談にやってきます。
何か困ったことを抱えているのです。
それらを法律的に一つ一つ解決してきました。
最初、西中さんは「すべての国民が法律を守れば争いはなくなる」と思っていました。
しかし、弁護士生活45年、西中さんは「法律さえ守っていれば何をしてもいい」という考え方が争いの原因だと確認しています。
法律では裁けない「道徳的な罪」が争い事の種になっていると、45年の弁護士生活で学んだのです。
それは「自分さえよければいい」というエゴイズムです。
学力も、財産も、権力も、地位も、名誉も、幸せに生きていくために付随しているだけに過ぎないのです。
しかし、それらを得るために誰かを苦しめたり、蹴落としたりと、本末転倒した結果が、争いに発展し、あるいは、淋しい晩年につながっていくのです。
そういう人と数多く見てきた西中さんの著書『ベテラン弁護士の争わない生き方が道を拓く』は、心に染みます。