水谷もりひとブログ

水谷もりひとブログ

ひとつになるために

ソニー生命の「みなと神戸支社」には合宿研修がある。
何のためにやるのかというと、泊りがけで一人一人が今自分が抱えている悩みや問題を吐露するのである。

吐露したあと、一人一人が吐き出した悩みをみんなで考えるのかどうかまでは知らないが、とにかく一人で抱えている悩みを人前で話すのだ。

始めたのは現在ソニー生命の執行役員の丹羽一仁さんが、まだみなと神戸支社の営業所長だった20年以上前の事。
業績不振だった当時、丹羽さんは上甲晃さんが主宰する「青年塾」の門をたたいた。
ある日、恒例となっている「近況報告」で、自分の悩みを吐露した。

そもそもその「近況報告」というのが自分の悩みを吐露し、それを上甲さんが全身全霊で答えるというものである。
持ち時間は1人5分から10分程度。
発表する本人にとっては深刻な問題なのだが、
聴いている人にとっては「他人事」。

最初はみんなそんな感じで聴いていた。
ところが他人の悩みを聴くうちに「あいつはあんな悩みを抱えていたのか」という気持ちになってくるという。そして「他人事」が「自分事」になってくるそうだ。

人の悩みなど何も知らないうちは、その人が立派な人に見えるものである。
しかし、その人の悩みを聴くと、その人が身近に思えてきて、親しみを感じる。

心が通じ合うと、一体感みたいなものが芽生えるという。
そこからその組織はどんどん成長していくというのだ。

丹羽さん率いるソニー生命みなと神戸支社も日本一の業績を上げるようになった。

多額の経費を投入する社員旅行も、飲み食いしただけでは一体感は得られないだろう。

ただ自分の悩みを、日頃同じ職場で働く同僚の前で話すのは勇気がいる。
その葛藤を超えて自己開示する。
一人一人がその「葛藤」を超えるところから、もうその職場に一体感みたいものが芽生えていくのかもしれない。

はて、自分の職場でそれができるだろうか、ふと考えた。