魂胆を持て!
「魂胆を持つ人に、魂胆を持たぬ人はかなわない。言葉を変えれば、長期計画を持って事に当たる人に、
目先のことばかりに追われる人はかなわない」と
上甲晃氏は言う。
中国の話である。
なぜ中国は今世界を凌駕するほどの国力を有する国家になってきたのか。
品格も誠実さもない国だが、
「魂胆」を持っている。
すなわち長期計画を持っているからだ。
中国がいい国かとんでもない国か、そんなことはどうでもいい。
中国は為政者が常に長期計画を持って、国のかじ取りをしてきた。
今、習近平氏は世界一の経済大国を目指している。
2017年の中国共産党大会で明確に示した。
アメリカを抜いて世界に一になる、と。
そのために何をするかも明確にしている。
中国から欧州まで陸路で結ぶ「シルクロード経済ベルト」(一帯)
南シナ海やインド洋などをつなぐ「21世紀海上シルクロード」(一路)
これが「一帯一路構想」だ。
上甲晃さんは言う。
「中国はそんなとてつもない魂胆を持って政治を進めている国であることを
日本人はもっと真剣に注目すべきである。
対する日本の政治はどうか。目先の課題ばかりが取り沙汰されるばかりだ。
挙句はスキャンダルまがいの揚げ足取りに終始している。
国力の差はこれからどんどん開いていくのではないか。
それに気づかぬまま、日本人はなおも経済大国であるという幻想から覚めぬまま
目先に豊かさに埋もれてしまうのではないか。
(参照:上甲晃著『デイリーメッセージ』29年10月28日)