自分の運命
「運命」ということでまったく異なる考え方なのだが、
なんとなく似たような考え方を別々の人から聞いた。
一つは社会心理学者の加藤諦三さん。
「両親の仲が良くて、温かい家庭に生まれるか、両親の仲が悪く、時々暴力もある家庭に生まれるか、どっちも運命」だと言う。
そして、不幸な環境に生まれた人は、
「自分がこういう環境に生まれたきたのは運命だったんだ」と気づくところから、
それを乗り越えようという意思が芽生え、
自分で運命を切り開くことができるというのである。
その不幸な環境は自分で選んだわけではない。
それは運命だったんだから仕方がない。
でも、ある程度成長したら自分で選べるんだから自分で運命を切り拓こう。
もう一つは上甲晃さんが松下幸之助さんから教えられたこと。
「自分で選んだ道は運命である。
運命である限りそれを呪うのではなく、
素直に受け止める」というもの。
社内の人間関係で嫌なことがあっても、
夫婦関係で嫌なことがあっても、
〝いい会社に入ったな〟
〝いい人と結婚したな〟と思えるかどうか。
だって自分で選んだんだから。
その家庭に生まれるのは自分で選べない。
それを加藤諦三さんは「運命」と言い、
そこに気づけば、自分の人生は自分で選べるんだという。
松下幸之助さんは
自分が選択した道は「運命」だから、
それを呪わず、受け止めろという。
共通しているのは自分の人生に対する前向きな姿勢。
どんな環境の中にあっても、自分が主人公。
自分の考え方一つ。