水谷もりひとブログ

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幕末の日本史、好きですか?

日本史が面白くなったのは50の声が聞こえるようになってからである。
それまで見向きもしなかったNHKの大河ドラマが急に面白いと思えるようになった。

今、大河ドラマでは『西郷どん』が放送中だが、
そのうち薩長同盟のシーンも出てくるだろう。
この同盟がどこで締結されたのかが、歴史家にとって謎だった。

一昨年、やっとその場所が判明した。
僕の大親友で、西郷隆盛研究家の原田良子さんが突き止めた。

一昨年、良子さんから電話やメールをいただき、それを知った。
かなり興奮していた。

その後、実際にお会いした時、直接お話を伺った。
歴史にまだまだ疎い自分としては、その話を聞くだけで精一杯で、
なかなか気の利いた反応ができず、申し訳なく思っていた。

良子さんの師匠の原口泉先生も大喜び。
原口泉先生といえば、
NHKをはじめ薩摩が関わる幕末のドラマや映画に
必ず「歴史考察」として登場する学者である。

そんなわけで良子さんは世紀の大発見をした。

歴史上の大事件がどこで起きたのか。
専門家が膨大な歴史資料の中から細かい描写を辿りながら、見つけていく。

良子さんも毎日毎日図書館に通い、
一般の人では解読できない難しい資料と格闘する日々の中から
「小松帯刀邸御花畑」を探し出した。

それはまるで砂漠の中に埋もれた宝石を見つけ出すようなものだったらしい。

今回、良子さんに案内されて、ようやくその地を訪れた。
京都駅から地下鉄烏丸線に乗って、「鞍馬口」で下車。
駅から歩いて数分のところにあるカフェ「フランジパニ」
そのカフェの前に石碑が建っていた。
建立されたのは2017年3月とのこと。

それまで調印の地は「小松帯刀寓居跡地」である「堀川通一条東入ル」だった。
ちゃんと石碑まで建っていた。
ところが、2016年に鹿児島県歴史資料センター黎明館の資料により
どうもそこではないと判明。
石碑は撤去された。

そして原田良子さんが懸命に資料と格闘しながら
「小松帯刀邸御花畑お屋敷跡」を見つけ出した。

歴史に興味のない人にとってはなんでもないことだが、
こうやって歴史を見出されていくのだ。

良子さんにとっては1円にもならないことなのに、
西郷さんが大好きな良子さん。
あまりにも必死に探しているので、
あの世にいる薩摩藩の誰かが、「ここだよ」って教えたのかもしれない。

この国を愛し、国の行く末を案じた獅子たちの思いは
百数十年の歳月を経て、歴史跡地に残っている。
それを探す。見つけ出す。

こうして私たちは歴史上の一員になっていく。