社会のタブーに切り込む坂爪真吾。
一般社団法人ホワイトハンズの活動が昨年テレビの報道番組で取り上げられた。以前からこの団体の活動は耳にしていて、
僕自身、北欧の障がい者の性にかかわる専門家と当事者が制作したビデオを入手して
この問題をもっと世に広めたいと思っていた時期もあった。
僕の妻の弟が軽度?中度?の知的障がい者ということもあり、
関心はあったのだが、
直接この問題を身内に話したことはなかった。
一般社団法人ホワイトハンズの活動の中心にあるのは
障がいのために手を思うように動かせない男性への射精介助である。
男性の家にホワイトハンズに登録している看護師や介護士が訪問して
介護用手袋とローションを使って射精を介助するのだ。
坂爪真吾著『未来のセックス年表』によると、
番組には乙武洋匡さんも出演していて、
10代の頃は自慰行為ができず、夢精していた下着を
母親が当然のように洗っていたという。
彼にとってそれは「地獄の苦しみだった」と告白していた。
手を思うように動かせない障がい者は
どうやって性的欲望を発散しているのか。
いや、彼らには性欲はないんじゃないか。
そもそもそんなことを当事者に聞けない。
というわけで
みんな気づかないふりをしてきたのだ。
実は、ホワイトハンズ以外にも
障がい者専用の風俗はあった。
しかし、「障がい者はみんな性的サービスを欲しがっている」
という思い込みで始まったそれらの支援はほとんど消滅した。
上から目線の、押し付けのようなサービスはちょっと違う。
ホワイトハンズ代表の坂爪真吾さんはそう言う。
こんなにアダルト情報が飛び交っている日本なのに
性の話はまだまだ公に語れないところがあり、
ましては障がい者の性や性欲については
触れるのがはばかれる。
坂爪さんは今後、そういった性介助の世界は
テクノロジーが引き受けてくれるだろうと述べている。
ロボットか・・・・
たとえば入院してて朝起きたとき、
ロボットの看護師が「ヨク眠レマシタカ?」「検温ヲシマス」
なんて言ってくるのはどうかと思う。
AI社会になっても、そこだけは人間でしょ。
しかし、『未来のセックス年表』の主張は
未来のセックスの相手は健常者も障がい者も
ロボットを視野に入れなければならない、と。
確かに、高度なテクノロジーを備えた性介助ロボットは開発させるだろう。
ま、興味のある人は読んでみてください。