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分からなくてもいいや!

そりゃ僕の方がレベルが低いことはガッテン承知の助である。
文学なんていう、高貴な世界は分からない。

とにもかくにも幻冬舎の見城社長が
「鳥肌が立つほどの感動を覚えた」という作品の良さが
分からないというか、分からないでいいやと思った。

石原慎太郎のデビュー作『太陽の季節』の話である。

裕福な家庭に育った竜哉が、ある日街でナンパした英子と肉体関係をもつ。
やがて英子に飽き、竜哉は兄に英子を5,000円で売る。
英子はそれを知って悲しむが、
そのとき、英子は竜哉の子どもを身ごもっていた。
英子は妊娠中絶をするが、手術が失敗して命を落とす。
竜哉は遺影に香炉を投げつけ、涙を流す。

見城社長は言う。
「これほどまでに個体の快楽と掟を生き生きと表現した作品があるだろうか」
「共同体とは無縁に生きようとする個体のエネルギーに満ち満ちている」

石原慎太郎著『完全な遊戯』の主人公とその友人は
雨の日の夜中のドライブ中に、バス停に佇む若い女性をナンパする。
車に乗せると、どこか精神疾患を抱えている女性のようだ。
そのまま別荘に連れていき、仲間数人を呼んで輪姦する。
最後は、彼女の存在が面倒になり、崖から突き落として殺す。

見城社長は言う。
「賛否両論を巻き起こす作品を書けること自体が、
石原慎太郎の才能の表れだ。文学作品は想像力が現実を凌駕しなければ意味がない。
リアリティに豊かなものからしか、人の心を揺さぶる表現は出てこない」
「この作品は若いエネルギーを持て余し、想像力を溜め込んでいた石原慎太郎だからこそ
書けたのだろう」

こういう世界にしびれるってすごい感性の持ち主なんだろうなぁ、見城さん。
しかし、そんな感性が僕になくてよかった。

【参考文献】今読んでいる見城徹著『読書という荒野』より