水谷もりひとブログ

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衝撃のさだまさしコンサート

「長い間新聞を購読してきましたが、最近は昔ほど心がふるえるような記事に出会えなくなった気がします。記事を集めるのは大変だと思いますが、頑張ってください。期待しています。」

昨日、こんなメールが読者の方から来ました。
実はこういうご意見を持っている方、結構います。
「最近の日本講演新聞はどうも…」という人。
そういう意見をもらうたびに「どうしたもんか?」と心悩ませます。

僕自身はそう思っていません。
最近の記事も最近の社説も面白いと思っているんです。

その方には「“心をふるえるようないい話をインプットするレベル”が上がったんだと思います」と返信しました。
実際、僕も毎日いい情報に触れていると、麻痺してくるのです。
たとえば誰かと同じ講演を聴いても、その人は「面白かった」「感動した」とテンションが上がっているのに、僕は「この話、前に聴いたことがある」と冷めている自分がいるわけです。

初めて聴いた時は感動したのに、あの時の話以上の話に出会えないと感動しなくなっていたりするんです。

ただそういう話でも新聞に掲載します。
初めて聴く人は感動するからです。
一度掲載した講演者の話でも
過去5年以内に新規読者になった人に届けたいと思うわけです。

つまり、自分の為に読むだけだと飽きてきますが、
誰かの為に読むと、ネタになるんです。

それともう一つ。
昨日、さだまさしコンサートに行ってきました。
そこで僕は衝撃を受けました。

1000名収容の会場に、コロナ規制で600人くらいだったと思います。
さださんが「今回初めて僕のコンサートに来られた方?」と聞いたところ、
8割くらいのお客は新規客でした。
さださんは「今までのファンの方だけでしたら目減りします。コンサートをやるたびに新しい人がいて、会場が埋まるんです」みたいなことをおっしゃっていました。

この言葉に衝撃を受けたんです。
あのさだまさしでさえ、ファンは目減りする。

さださんは1979年に宮崎でコンサートをやっています。
前日に完成した『関白宣言』という歌を宮崎市民会館で初めて歌ったそうです。
その31年前のコンサートに来ていた人が3~4人いました。

つまり、ファンは目減りするんです。
31年間に宮崎のさださんファン人の97%は今回のコンサートに来ていないんです。

だから人気歌手も常にアルバムを出して、
新規客を獲得していかないと生き残っていけないわけですね。

読者が目減りするのと同じなんだと思いました。

それで冒頭の読者の方のメールです。
「長い間新聞を購読してきましたが、最近は昔ほど心がふるえるような記事に出会えなくなった気がします」

そうなんです。さださんも常に新しいアルバムを出しています。
コンサートでもその中から歌いました。
でも、全く心がふるえないんです。
僕の心がふるえるさださんの曲は『精霊流し』や『主人公』や『コスモス』など
昔よく聞いていた曲なんです。

どんな一流の歌手でも、
新曲が昔のファンの心を掴めるかというと、
そうでもないんだと思います。
でも、新しい曲を聞いてファンになる人もいるわけです。

日本講演新聞の読者も、毎日「今月いっぱいで止めます」という連絡が来ます。
1日5~6件でしょうか。1か月にすると相当目減りします。
そのことに心を悩ませていましたが、
さださんはファンが目減りしていくことにいちいち悩んでいないんだと思いました。
だから常にコンサートツアーをやっているんです。
昨日のコンサートで4400回を超えています。
コロナだからといってコンサートをやめていたら
前に進めなくなってしまうわけです。
そしてまた新しいアルバムをつくる。

まさかさだまさしコンサートで日本講演新聞が直面する課題に
ヒントをもらえるとは思ってもいませんでした。