水谷もりひとブログ

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執行草舟著『脱人間論』4

人間とは何か。~なぜ今さら執行さんはこの問いを投げかけるのか。
「それは現代人がもはや人間ではなくなっているからである」と執行さんは言う。

どういうこと?

動物園にいる動物は本来の動物ではないということと同じ。
「人間の、人間による、人間のための社会」と作り上げた
ヒューマニズムは動物園の動物のように飼い慣らした。
飼い慣らされた人間は神を求めることも、
魂を感じることも、自分の中にあった「野生」を感じることもない。

「生きているだけで価値がある」という。
確かにそのメッセージが必要な人はいるし、
根本的にはそうなのだが、
それは誰かがある特定の、たとえば、生きる希望を失った人とか、
病気で余命長くない人とか、子ども達とか、
そういう人に向けのメッセージにはなり得るけど
自分が自分に送るメッセージとして
ただそこだけに留まってはいけない。

動物のように生きることに価値はない。

人間はなぜ悩むのかというと、それこそが人間の特権なのだ。
人間は愛によって生き、愛によって悩み、愛によって死ぬ。

脱人間は、脱藩と似たようなところがある。
坂本龍馬は飼い慣らされた武士でいることより
大義の為に脱藩したのだ。

安全も安心も保障も捨て、ただただ大義のために生きるという
魂の声に従ったのだ。
そんな若者が日本を変えた。