『恋する母たち』
漫画家・柴門ふみさんのコミック『恋する母たち』がTBSでドラマ化された。しょうもないと思いながらも、大石静の脚本だったこともあり、
一回見たら、しょうもないと思いつつも、
次回が気になって仕方なくなり、最終話まで観てしまった。
毎回、しょうもないストーリ展開だと思いながらも、
時々ハッとするシーンに出会うと、「観てよかった」と思う。
3人の女性の人生ドラマである。
3人というのは、
木村佳乃演じる「石渡杏(あん)」という不動産会社でパートする女性。
吉田羊演じる「林優子」という食品会社のキャリア。
仲里依紗演じる「蒲原まり」は愛情の冷めた弁護士の夫をもつセレブな人妻。
「杏」が恋に落ちて、その後結婚する相手が小泉孝太郎演じる「佐伯さん」。
新婚生活の中で杏が筍(たけのこ)ご飯をつくる。
しかし佐伯は筍だけを残す。
数日後、杏が「筍、嫌いなら嫌いって言えばいいのに」と言うと
佐伯は「言えないだよ」と言う。
これ、よく分かる。
僕も夫婦なのに言いたいことが言えないことが多々ある。
たとえば、新居に引っ越して2年目だけど、
「書斎が欲しい」なんて言えなかったりする。
杏は一生懸命いい妻であろうとするんだけど、
佐伯はそれがだんだん苦痛になってくる。
結局、離婚。
最終話で、「夫婦としはうまくいかなかったけど、ビジネスパートナーとして一緒にやっていきたい」ということになる。
杏は、一級建築士になった佐伯の秘書になる。
こういう展開って現代的というか、今の風潮というか。
結婚というカタチにこだわらない愛ある男女の関係である。
林優子は、優しくて何の落ち度もない作家志望の夫がいるのに、
会社のイケメンの部下と不倫をする。
結局それがバレて、離婚をするのだが、
その後、優子はその年下のイケメンと結婚はしないけど一緒に暮らし始める。
これもまた結婚というカタチにこだわらない愛ある男女の関係。
そういう男女のカタチをドラマや小説、
最近ではコミックが啓発するのだ。
「母親だって恋をする」、これがこの作品のテーマだ。
確かに昭和の時代には、好き勝手にやってきたのはいつも男たちだった。
これから益々女性たちも解放されていくんだろうなぁ。
僕としては男も女も、そんなところで右往左往するのではなく、
もっと「社会」や「ビジネス」や「広い人間関係の構築」のほうに意識を向けて
人としての成長を目指してほしいけど、
そういう物語がドラマ化されることはないだろうな。