立ち読み①『心揺るがす講演を読む2』
【立ち読みコーナー】1『心を揺るがす講演を読む2』(ごま書房新社)が発売されます。
それに先駆けて、
その中身を少しだけ公開します!
今回は、清水寺貫主 森清範さんです。
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11月22日は「いい夫婦の日」です。
その日に、奥さんからご主人に、
またはご主人から奥さんに宛てたラブレターを
募集してまとめた本が出ております。
その中から一つ読んでみます。ご主人が奥さんに書いたお手紙です。
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君と結婚して三十年余り、いろいろなことがあった。
僕にとって中でも忘れられない思い出は、まだ子どもが小さかった頃の夫婦げんかだ。
若気の至りで小さなことに腹を立てて、
『おまえなんか実家に帰ってしまえ』と、家から追い出した時、
君は泣きながら出て行ってしまったね。
がらんと寂しくなった部屋で心配そうに見上げる子どもたちの顔を見つめながら、
やがて君の実家からかかってくるであろう電話にどのように対峙しようかと、
あれこれ考えあぐんでいたとき、
かかってきた電話口から流れてきた声は、
『もっと自分の女房を大事にしろ』という僕のおやじの怒鳴り声だった。
そうか、君は自分の実家ではなく、僕の実家に行ったのですね。
まだ若かった君が悲しみの中で取った咄嗟の行動に君の本当のやさしさ、
賢明さを知り、完敗した。
その時、僕は決心した。君とはもう喧嘩はしない。君を一生大事にしていこうと。…」
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この夫婦、初めは「相対」やったんです。
喧嘩して奥さんが自分の実家ではなく、ご主人の実家に帰らはった。
それでご主人のお父さんの怒鳴り声が聞こえてきた。
そこで初めてご主人がはっと気が付かはったんです。
ここで両者は「一体」になったのです。
皆さん、三角形の絶対的条件って知ってますか。
一辺が長いとか短いとか、そんなことではありませんね。それは相対的なものですわ。
絶対的条件は内角の和が二直角、180度であること。これを外したら三角形でなくなる。
人が生きていく中で絶対外してはならないもの、絶対的条件とするものは何か。
それはやっぱり命の尊さでしょう。
命の尊厳です。
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